alongsnowの日記

ペンドレット症候群により、先天性難聴。今は人工内耳ライフです。

手術を思い出す~その4

忙しかったのは

 入院1日目

  ・手術説明・・執刀医(耳鼻科医)、麻酔科医、看護師など・・

  ・剃髪・・自分で病院内の美容室に行って剃髪(健康保険効かず)

  ・軽く断食?あったっけ?

 

 入院2日目

  ・手術日

 

 入院3日目

  ・医師による診察

  ・導尿カテーテル引っこ抜く(自分で起き上がってトイレに行かねばならない)

  ・点滴が少しずつ減っていき、ついになくなる

  ・普通食

 

位。

もう、入院4日目なんて暇で暇でしょうがない。

三食昼寝付き!なんて思っていたけど、とにかく暇。

めまいさえ出ていなかったら、多分外出許可とってどっかあそびに行っていたと思う。

1~3日目まではあれほど病室に来てくれていた看護師さんもパッタリ来ない。

医療行為もないからとにかく暇。

廊下に張り出されている病院食のメニュー表を見に行ったり暗記したり(暗記するんか

い!)院内図書館で本を借りてきたり、シャワー浴びたり、下のコンビニ行った

り・・・。同室の方にも人工内耳手術はおられなくて、患者さんとおしゃべりは皆無

だったなあ・・。

 

 

 

で、7日目くらいに音入れをして、そのまま退院。

担当医さんとは、「術後どうですか~?」「まだめまいサッパリ治らないんですけど」

「あ~~~ついに治りませんでしたかあ。どうやって帰るんでしたっけ?電車?

ホームから落ちないように気を付けてくださいねえ。一人で帰るのならタクシー使って

くださいよ。」「電車で帰ります。で、このめまいどうしたらいいんでしょうか??」

「ま~、まだ若い方だからそのうち治りますよ。日々薬っていうやつで・・・。」

そうかあ、めまいあっても退院するんや…と妙に納得したり。

 

お土産にもらった薬が、抗生物質

一応傷が化膿しないように、処方された分全部飲み切ってください、という事でした。

 

で、この抗生物質が1週間分。コレが切れたころに2回目のマッピングと診察の予定

だったのですが、snow、見事に高熱を出すのでした。

 

めまいは凄いわ高熱は出るわでフッラフラです。

どないしたらいいですか?

 

っと病院に相談したところ、「タクシーで来てください」っとのこと。

通院日を変えるってことはできないのですか?っと聞いたところ、高熱出ているのが

やばいのでとにかく来てくださいと・・・。

 

タクシーで、家から病院までいくら?と調べたら5万円くらい。

 

オゲゲゲ・・・。

 

当然電車に乗っていきました。

付き添い家族、めっちゃ迷惑だっただろうと思う。

まっすぐ歩かないし、ホームは電車側に緩い斜面が付いているので、ユラあ~~っと

電車側に向かって歩くんですわ。それを支えなあかんし、電車乗ったら乗ったで

「なんか吐きそうです。」とかのたまうし。

 

病院に着いたら、「ハイよ」とまた抗生物質くれました。

そうか、これを貰うために病院来たのか。

 

付き添い家族の

「えっ!これからまた連れて帰らないといけないんですか・・・」という悲鳴にも近い

セリフ・・・・・。

 

「その状態で電車に乗るのは(家族が)大変でしょう。タクシー使って帰ってくださ

い。」

 

ああ、またタクシーかいな。五万円のためだったら頑張って電車乗って帰るよ。

 

っていうsnowに付き添い家族もあきれ果てていました。

 

あんまり家族の状況まで頭回っていませんでしたわ。頑張るのは家族の方でした。

ごめんなさい。

 

付き添い家族、家の最寄り駅からは、「タクシー乗ろう!ココは出すから!!」っと

乗っけてくれました。ウチ、細い路地の中なのですが、家族、そこの道!入ってくださ

い!できるだけ家に近づけて止めてください!!ってめっちゃ頑張ってた。

ありがとう。(っていうか自分がタクシー代出せよ・・・)

 

そして半年くらいは、タクシーにあれほど医者が乗れっていうのに乗らない頑固者、と

呼ばれ続けました。

タクシーは乗りましょう。

 

 

 

抗生物質を飲むと、次の日には熱も下がり楽になってきました。

 

ただ、この通院の翌日から出勤の予定だったのですね。

病院に行ったときに、こういう状況では復職はムリ、ということで2週間延長の

診断書を出してもらいました・・・。

 

職場にはエライ迷惑をかけてしまいました。

 

職場には挨拶?もかねて、2週間の途中で一度来たのですが、フラッフラなのを見て

だいぶ心配させてしまいました。じゃあ、帰りますねえ・・・机にどっか~ンと当たる

扉の位置がめまいのせいでわからず、変な方向で止まる。ええっと扉どこ?と手探りで

探す状況。

 

snow、そんなんで車通勤できるんか?

と聞かれ、復帰までには何とか・・・・と言ったところ、家が近いし送迎するわ!とおっしゃってくれました。(感涙!!!)

その節は本当にありがとうございました!!

(このブログ見てないでしょうけれども‥‥)

これなかったら、おそらくは復帰はもっと遅れたはず。電車でも通勤はできるのですが

この頃は一人で電車には乗れませんでした。

車の運転の方が先にできるようになっていたと思う。術後2か月くらい。

電車はさらに遅れて、術後半年後くらい。

車に乗っけてもらいながら、家までのドライブ。

この環境もすごくリハビリになっていました。車の中だと騒音も少ないし、あ、こうい

う声なんだとか、今こういうことを喋ってくれてはるんやな、とか。この言葉はこうい

う聞こえ方するんだなとか。

車の送迎だけではなく、リハビリにまで付き合ってくださって・・・

本当に本当にありがとうございました!!

 

本当だったらタクシーで来るべきなのですが・・・。

実はお値段だけではなくタクシーに乗ること自体も苦手だったりします。

これも聴覚障害者あるあるかな?

 

 ちなみに、ここまで後遺症のめまいがひどかったケースは稀だそう。

年に1回もないケースだそうで・・。今までで2件3件あったかどうか、と

いうことらしい。その2、3件もやはり全員高齢者だったそうで。

高齢者故に治りが遅かったんですが、snowさんの場合なぜかわかんないんですね~

って言われました。

体力ないからです。ハイ。

タクシー乗らないからです。ハイ。

 

けど何が起こるかわかんないですね・・・ホントに。

 

こないだのマッピングの時に、成人でも両耳人工内耳が認められて、ボチボチ

する人が増えてきましたがどうされますか?と聞かれ

「う~~~ん・・」としか言えませんでしたわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コクレアからニューズレターが来た! 2017年9月号

コクレアからニューズレターが来た。

 

このニューズレターは妙におもろい。

 

前回は、ニュークレアス6の割引を延長します!っていうやつだった。

割引はもうしません、って言っていたのに、再び割引延長!

しかも目覚まし時計も付けちゃいます!!みたいな。

 

なんかTVショッピングを見ているよう。

一つ買うとおまけにもう一つ!!みたいな。

目覚まし時計付けちゃいます!って、なんですのん。

 

で、この目覚まし時計付きが、先着100名様限り、だったと思う。

きっと売れたんだな。

それか新しく人工内耳装着した人が、コクレアのいろんなセットが入ったカバンを

開けたら目覚まし時計が入っていたんだろうか?スカル型とハート形とシンプル型

の3種類だったような気がする。カバン開けてスカル入ってたら腰抜けるわ。

どんな呪いやねん。

 

で、今の「おまけ」がアクアプラスという人工内耳を装着したままお風呂とかプール

に入ることができる防水カバーと・・・・・・・・。

ええっと、コクレアロゴ入りタオル・・・・・・・???

お手入れタオル。

コクレアロゴが入ったお手入れタオル・・・。

どうでもええけど、コクレアのロゴって巻貝みたいな形やねん。

それを90度動かしたら・・・。ごめんなさい。ホントにごめんなさい。

恩人のようなコクレアやのに。

ごめんなさい。

 

で、タオル。

 

わあ、このタオルめっちゃ素敵!

このタオルがほしいから買っちゃおうかしら!!

 

っていう人いるんだろうか?

一番安く買っても529,200円やで?

 

多分マイクロファイバークロスなんでしょうね。

今どき500円のスマホ画面保護シール買っても、中に小っちゃいマイクロファイバー

クロス入っているぞ?

 

防水カバーはいいなと思う。

ニュークレアス5は使い捨ての防水カバーなんだけど、コレが結構高い。

使い捨てじゃない防水カバーは惹かれる。

けど、お手入れタオル。

えらい目覚まし時計から比べたらシンプルやな。

 

 

 

で、お手入れタオルよりびっくらこいたのが、

KANSOサウンドプロセッサ発売っていうの。

 

f:id:alongsnow:20170912213801p:plain

 

んあ?

 

だいぶ前にリリースされていたけど、全然出てこないから、結局国内では販売されない

んだろうな~と思っていた。リリース去年じゃなかったっけ?

しかも日本語の「簡素」から来ていたとか。

日本語由来の名前がついていながら、全く日本国内に流通する気配なかった。

 

んあ?

 

販売するの?

しかも販売記念価格が2018年1月15日まで。

また割引かいな。

定価なんぼやねん。

っていうか「定価」ってあるの??

 

あと、充電式じゃあないんや。

使い捨て電池オンリー?

補聴器だと電池1個で2週間から1か月持っていたと思う。

人工内耳は電池2個が1日で寿命を迎えるんよ。

電池代なんぼいるねん。

「髪にそっと隠れ、目立ちません」って、ほな髪ない人どないすんねん。

装用シーンの例で「お友達とパーティで」って人生で何回あるのか。

お友達とのパーティではKANSOを付けて、日常生活ではニュークレアス6

を付けますの、っていう人何人いるのか。

 

 

 

 

こちらはお手入れタオルついていないそう。

 

どちらにしますか?

 

お手入れタオルつきニュークレアス6

おまけなしKANSO

 

今、ニュークレアス7がリリースされているらしい。

どっちかっていうとそっちの方がいつ販売されるのか知りたい。

それこそがニューズ!!

これから手術します、初めて人工内耳装着します、っていう人にしたら

ニュークレアス7販売が1週間後だったので、ニュークレアス6を装着することになり

ます、って言われたらなんとも複雑な心境よね?

 

 

 

ほんっとにコクレアのニューズレターは面白いなと思う。

コクレア大好き!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手術を思い出す~その3

人工内耳の手術が昼過ぎ位に始まって、終わったのは夕方。

この日の夜は辛かった。

 

何が辛いって、寝返りが打てないこと。

いや、多分打てるんですわ。仰向けとうつ伏せと、手術してない方を下にした横向き。

けど怖い。ちょっと動いたらズキッってくるし。

なので夕方からずっと仰向け。

 

そうすると・・・臀部が・・お尻が痛い。

寝返り打ちたい、けど怖い。お尻が痛い。だんだんずっと重心がかかっている部分が痛

くなってくるんです。

まるで全身で正座しているかのような痛みとしびれ。

 

あ~~~

寝返りって大事なんや。普段は無意識に寝返りしているけど・・・。

寝返り打てないと褥瘡なるもんね。そうかこういう事か・・・。

 

ウォーターベッドとか用意してくれへんかな~~~。

寝たことないけど。

 

で、とうとう我慢できずに夜の見回りに来た看護師さんに訴えました。

そしたら、え?っていう顔されました。

そんなん、勝手に打ったらいいやん、体位変換したらいいやんみたいな。

・・・・・

そらま~、小学生とか朝手術して、夕方には起きてトランプしているもんな。

 

なんか体が怖がって、動けないんです~

 

って言ったら、自分でベットの柵持って、腕の力で動いてくださいと。

 

どうやって?ああ、左を手術しているから、左手で反対の柵をつかんで、こう体動かす

んですね。んしょ・・・。

ん?

右手に点滴打っているから、点滴している腕が下になっちゃう。

結局腕がすぐにだるくなる。

で、仰向けに戻る。

 

臀部が、アンタ重いんじゃ、と悲鳴を上げる。

 

そんなこんなで、病室の窓から朝日が差し始めたころには、臀部がもう・・・。

手術している部位より痛いことになっておりました。

アタシ、どこ手術したんだっけ?

 

そして、朝ごはん。

なんと普通食でした。

 

これもビックリ。

 

ま~消化器系の手術じゃないもんな~~。

でも食パン2枚もあるよ・・。臀部にこれ以上重くなる気かって怒られるよ。

 

ちょっと覚えていないのですが、術部、多分ボンドみたいなので止めておりました。

最近ホッチキスが多いからそうなんかな、って思っていたのですが、接着剤みたいな

のでした。へ~~~。

ま、ホッチキスだと頭蓋骨に刺さるもんね。

 

そして、皮膚の内側は、後日体内で溶ける糸で縫っているのですが、私の場合

何故かこの糸が皮膚の外側にもちょっとだけ飛び出しておりました。

術後、なんかかゆい、チクチクする、違和感ある、と見てもらったところ、1~2ミリ

ほど飛び出しておりました。皮膚の外側のは溶けてなくならないそうですわ。

そういうこと2~3回あったかな。

ハサミでチョンと切ってしまうと、びっくりするくらい違和感消えるので、また次飛び

出したら自分で切ってもいいですか?って聞いたら、当然ダメですと。じゃあ、家族か

誰かに切ってもらうのは?と聞くと、それもダメです。医療行為なので、と。

ま、ハサミ手渡されて、頭から出ている糸切って、って言われたらびっくりするわな。

服の糸くず切って、って頼まれた時も、服本体切っちゃったらどうしよう、ってちょっ

と緊張するもんな。

 

そして私、人工内耳の手術をする前は、イメージが、「脳に電極を刺す」だったんです

ね。開頭手術をして、脳に電極棒を差し込んでそこから刺激を与えて音を認識する。

と・・・。

そんなこと全然ありませんでした。耳よりの頭蓋骨にちょっと穴開けて、そこから蝸牛

にクルクルとやわらかい電極通すだけです。

そして臀部が痛くなる、ということです。(←違うやろ)

 

あんま医学的なことはわからないけど、せっかく耳にも穴があいているんだから、

そこから電極を刺すことができるようになったら、多分日帰り手術もできるし

もっと人工内耳してみよっかな、っていう人も増えるだろうなあ。

 

そして耳の後ろ3㎝くらいの位置にマグネットが付いた受信部分を頭蓋骨と皮膚の間に

埋め込んで、体外装置と引っ付けて使うことになります。補聴器のような耳にかける

部分にはマイクとバッテリーが付いています。

なので体内装置のバッテリーがいつか電池切れになる、ということもありません。

 

で、この体内に埋め込んでいる装置は、人体に無害なシリコンと金属部分はプラチナ

でできているそう。このプラチナが結構するそうな。

なので、

今付けている時計百何万するんですよ~

みたいな会話を聞くとき、snowは「え~凄いですねえ」と言いつつ、密やかに

「ワタクシ、プラチナを埋め込んでいるのですよ。オホホ・・」なんて思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工内耳手術の麻酔

 ちょっと追加。

 麻酔について。

 

 2~3回呼吸したら意識飛ぶって書いちゃいましたが、気絶とかそういう感じでは

ないです。

 例えるなら、完徹して、仕事も終わって、やっと寝られる!お布団!!という

直前のような感じ。あああ、めっちゃ眠たい、やっとやっと寝られる!みたいな。

 

 なかなか気持ちよろしいですよ。

 

 マイケル・ジャクソン不眠症で、麻酔を睡眠薬代わりにしていたそうですが、納

得。

 

 話はぶっ飛びますが、snow、全身麻酔(腰椎麻酔付きバージョン)も部分麻酔も

人工内耳の全身麻酔(腰椎麻酔なし)もすべて経験済みです。

 笑気ガスも経験済みです。

 もちろん歯医者の麻酔も経験済み。

 どんな人生や?

 

 いいですよ。麻酔。

 

 寝ている間の時間っていうのも全く感じないです。

 なので、寝た、と思った瞬間起きる時間がやってきます。

 

 なので、寝不足解消・・・にはならないかな。

 それがちょっと残念。

 

 

 

手術の始まりから翌日まで~思い出してみる その2~

 そんなこんなで、自分の手術室を間違えておりましたが、なんとか本当の自分の

手術室に入ることができました。

 ちゃんと、頭蓋骨のMRIの写真も貼ってあり、患者名も私の名前です。

 

 手術の前に、術後の回復ってどれくらいですか?ってSTさんに聞いたら、「小学生と

かは、朝手術受けて、夕方にはもう起き上がってトランプしたりしていますよ。」と。

 あ、そんなら、そんなしんどくないかな?痛くないかな?と楽観視しておりまし

た。

 うん、自分の年齢忘れてたね、小学生と30代半ばは違う。うん。

 

 麻酔は全身麻酔でした。

 確か酸素マスク付けて、3回くらい呼吸したら、意識は飛び、次に目が覚めたときに

は、もう手術終わっていました。

 実際の手術時間は3時間半から4時間。

 お昼過ぎに始まって、夕方前に自分の病室に戻ってきたかなという感じ。

 

 手術室に入る前は全く体に管は繋がっていませんでしたが、戻ってきたときには点滴

3本くらいぶら下がって、導尿と、酸素マスクが繋がり、足には血栓防止のきつめの靴

下とフットマッサージャーが付いていている状態。

 酸素マスクが結構私には苦しかった。水分が取れないので喉も口もカラカラなのです

がそこにずっと空気が入り続けている感じ。呼吸はこちらのペースでする方が楽かもし

れない。酸素マスクは術後2~3時間で外してもらえます。

 これを外してもらったらだいぶ楽になったかも。

 術後の痛みは、これだったら我慢できるという感じ。もちろん痛み止めが点滴に入っ

ていると思う。

 フットマッサージャーがなかなかいい仕事をしていて、キュウ~~~っと締め上げた

あとにフッと空気が抜けるのですが、その瞬間に血が体を巡るのでズッキ~ンと術創

に痛みが走るんです。血栓防止するために大事だとは思うんだけど、結構しんどい。

 これは術後から翌日の朝まで続きました。

 

 導尿は全く感覚なし。これがついているとトイレに行きたいという感覚もないので

楽です。もうずっと付けておきたいくらい。

 点滴も痛みはないのですが、翌日朝までは看護師さんが夜中も点滴の交換に来てくれ

ます。

 

 この時はめまいがあったので、特にしんどかったのですが、

 「絶対に夜の10時にトランプするまで回復なんて無理!」って思いましたわ。

 小学生に敗北・・・。

 

 夜の10時どころが次の日の朝までウンウン唸っておりました。

 朝にはずいぶん楽になりますし、立ち上がってご飯食べることもできます。

 

 めまい起こしているせいで、立ち上がってもフッラフラでしたが。

 こんなグラグラ揺れている状態でトランプなんかよおできない。

 

 小学生どころが中学生にも高校生にも敗北したことを悟った日々でした・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

人工内耳の手術~思い出してみる~

 人工内耳の手術は、夏に受けた。

 確か7月の終わり。

 としたら、音入れ・・・も8月8日くらいだっけか。

 もう、初めて音が聴こえた、2回目の人生が始まった日!みたいな感動・・・も

 あんまりなかったかな。初めて聞いた音って「ボボボ」だけでしたもん。

 ああぅ!ボボボが聴こえた!感動!なんてできますかいな。

 ど~~~しよ・・・コレ・・・先長いぞ・・・って思いましたもん。

 

 そんなわけで、手術した時を思い出してみようと思う。

 このブログにも手術の事、書いたことない。

 何故か?

 

 ちゃんとした理由が実はある。

 

手術にまつわるエピソードがなかなかのもんだから。

 

書こうか迷ったから。

 

 

 手術室ってね、歩いていくんですわ。

 手術の時間前に、病室担当の看護師さんが迎えに来てくれます。

 「手術室専用」って書かれたエレベータに乗り込んで、手術室のある階で、病室担当

の看護師さんと手術階担当の看護師さんが引き継ぎをして、ここで病室担当の看護師さ

んとはお別れです。 

 で、手術階担当の看護師さんに、手術室まで連れて行ってもらいます。

 

 なにやら、手術室担当の看護師さん、カルテのようなものを持っています。

 チラッと眺める。

 あ、アタシの名前だな。

 手術室・・・D?Dかな・・・。

 

 さすがに大病院だけあって、手術室も数えきれないほど。

 手術室の二枚扉の片側に全面にAとかBとか書かれています。

 扉も金属っぽくなくて、白く塗られていて圧迫感全くないし・・。

 なんかおしゃれやわ~。近未来の研究室のよう。

 

 ここで、看護師さんから補聴器を外すように言われます。

 あ・・・

 ついに、補聴器で聴くのは、これが最後なんだ・・・。

 この時は、さすがにウルっと来ました。

 補聴器は、澄んだ綺麗な音なんです。

 あまり聴こえてはなかったけど・・。もしかしたら耳鳴りだったかもしれんけど。

 

 

 補聴器を外してしまうと、全く聴こえません。

 看護師さんが何か言っていますが・・・わかりません。

 

 しばらく歩いて、とある手術室の前で止まりました。

 手術室の扉の前に、丸椅子が置いてあります。

 ここに座ってください、と丸椅子を指さしています。

 

 言われるがままに座るsnow。

 

 もうすぐ手術室のスタッフが迎えに来ます・・・と言っていたような。

 

 え~~~snow、英語は得意じゃないですよ。

 

 けど

 

 文字のCとDの区別くらいはできますよ。

 

 視力も1.5ありますしね。

 

 この扉・・・・Cって書かれて見えるんですけど。

 

 え?カルテには思いっきりDって書いてなかった??

 

 え?アタシ、Cの扉の前に座っていません?

 

 そしたら・・・扉が開き・・・・・・。

 

 もう笑顔のスタッフさんが5人くらいワラワラと迎えに出てきました。

 

 これから、手術が始まる患者さんが少しでもリラックスできるように、の笑顔。

 手術室に入ってください~と手招きます。

 

 けど・・・・・見る見るうちに凍り付く笑顔・・・。

 顔は凍り付きますが、慣性の法則で手は招き続けています。

 アタシは手術室に足を踏み入れ・・・。

 

 50メートル先の葉っぱの形もわかるという1・5の視力がとらえた画像は、

 肺のレントゲン写真と、患者の男性の名前。

 

 ・・・・・・・・・・・・

 

 おい!

 違うやんけ!!

 

 アタシは男じゃねえ!

 

 この手術室の主は私じゃあねえ!!

 

 

 

 手術室のスタッフさんたちも、一応お名前教えてください、リストバンドも

見せてください。と・・。

 あ、違いますね、え~・・スタッフ呼びますね。

 大丈夫ですよ^^

 何も心配ないですからね。

 

 というスタッフさんの顔はひきつっておりました。

 

 ・・・・・。

 

 同じ日に二つの手術室に入る人もそうそうおらんだろうな。

 

 

 

 

 (注)

 実際に手術をするときは2重3重にチェック体制が整ってるので、相手が何を言ってい

るか聴き取れなくても、自分の名前を言えなくても、間違えたままということはないで

す。

 私自身も、フンフンと分かった風するんじゃやなくて、はっきりと筆談してくださ

い、って言うべきでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

磁石と小さいマップのその後日談

 こないだのマッピングの時に、STさんに磁石なくしたこと話したんです。

 こういう事いう人少ないらしく、びっくりされました。

 で、何番の磁石を買えばいいかなあ??

 と聞いたらば、試着?させてくれました。

 試着っていっても微妙ですわね。

 4番から試したんだけど・・・ん~~分からん。

 靴のサイズのように、あ、ピッタリ!とかないし、付けた瞬間に痛い!とかないし。

 とりあえず3番にしました。

 なんと、ケーブルと同様に健康保険が効くそうな。

 ありがたい限り・・・。

 とりあえず3番で今のところピッタリのようです。

 

 で、この時に入れてもらった大後退の小さいマップ、結構気に入ってしまいました。

 ほぼずっとこの小さいマップばかり使っていました。

 で、だいぶ付けている時間も長くなりました。

 このマップの次に大きいマップを付けると、やっぱりあの音ががーーーんと入ってく

る感覚がダメで、前だったら切っていたけど、この小さいマップのおかげで、この小さ

いマップに逃げちゃえ!!っと人工内耳を切らずに済むようになりました。

 結果的に付けている時間も長くなりました。

 名前を呼ばれても、完全に気づかない、ということもなくなったし。

 

 で、完全にスイッチを切った時に「違和感」も感じるようになりました。

 音が全く入ってこないって、ちょっとしんどいな、と思えるようになりました。

 

 そっか、大後退したかいがあったな。っていうか、後退しても、また進化できるん

だ。なんかすごいな。

 

 そうすると、この小さいマップ、「小さすぎるな」と感じることも。

 あ、この感覚、昔どんどんマップを上げ続けていた時と一緒だなあ・・・。

 だんだん「ちょうどいい」と感じていた音が、フッと気が付いたら「小さく」

感じるんだよね。で、もっと大きい音を聴きたくなるんだよね。

 

 おお、いい傾向。

 

 多分一番小さいマップで40dBくらいだと思う。

 なんていうか、40dBでこんなに色んな音が絶え間なく入ってくるとしたら

0dBとか20dBとかってめっちゃうるさいんだろうなあ。

 蚊の羽音が聴こえるとか。

 

 ヒトは「音を捨てることができる」という。

 今の自分に必要ないな、と思う音は小さくしたり聴こえないようにしたり・・を

無意識のうちにできるらしい。

 これって凄い事。だから0dBの世界を生きていける。

 

 聴覚障碍者は、私は、コレがおそらく下手なのだろうと思う。

 話し声だけが聴こえたらいいのに、周りの音も聴こえてしまう。話し声にかぶってし

まう。聞く必要のない音もキッチリその音量通りに聞こえてしまう。

 どんな音でも、聴こえたことに「感動した」時期が過ぎてしまうと、周りから聞こえ

る音は、煩いだけの音になってしまう。

 それは、昔のsnowを思えば、すごく贅沢な悩みなのだけれども、やはりうるさい

のは煩い。

 とりあえず、1対1の会話は8割くらいできるようになった。

 あまり会話に神経を使うこともなくなった。

 初対面の人との会話もホントに楽になった、楽しめるようになった。

 

 次の目標は、電話ができるようになること?テレビの会話が聞き取れるようになるこ

と?音を捨てることができるようになること?

 

 まだまだ成長中!!

 

 人工内耳の限界は5年たってもまだまだ見えない!