alongsnowの日記

ペンドレット症候群により、先天性難聴。今は人工内耳ライフです。

前庭水管拡大症とペンドレッド症候群

え~。

snowは前庭水管拡大症により生まれたときから難聴となりました。

前庭水管拡大症であることはMRIにより確定しています。

 

あと、甲状腺にも嚢胞ができています。

 

前庭水管拡大症と甲状腺疾患があるとき、ペンドレッド症候群が疑われるそうな。

 

もともと首がずんぐりむっくりしていましてね。

細い繊細なネックレスなんてつけると、なんていうの?似合わない?

首の太さが強調される?本当は鎖骨の間でダイヤモンドが揺れてほしいのに、喉仏のあ

たりでピロピロ浮いているというか・・・。もはや首輪?

 

異変に気付いたのは小学校5年くらい。

食べ物を飲み込んだら、喉のあたりでつっかえる様な感じがするのね。

ずっと喉になにかが詰まっているような感じで、こりゃおかしいと病院に行ったら、

甲状腺が腫れているから、橋本病かパセドウ症のどちらかではないかと言われつつも、

ずっと血液検査は正常範囲で。

 

いつか橋本病かパセドウ症を発症するかもしれないから、血液検査だけはずっとしてお

くように言われて、イヤイヤイヤ・・・検査よりこのゆる~~~~~く首絞められてい

るような感じなんとかしてくれよ・・・と愚痴りつつもまじめに検査だけはしていまし

た。えらいな、snow。

・・・・・・・・・・・月日はあっという間に流れ、いつの間にか病院にもいかなくな

りました。ずっと正常範囲なんだもん。

 

けど、職場の健康診断で言われましたわ。

あ~た、喉太いねえ。コレはちゃんと病院行っているの?え?行っていない?

あんたねえ・・・いいから行ってきなさい。甲状腺がんもあるんだから・・・。

 

かかりつけの耳鼻科に、全く別件で行ったときにも同じこと言われた。

喉太いですね? 今、甲状腺がんもありますしね~。念のため専門病院の紹介状書くか

ら行ってきてね。って・・。またここでもガンですか?

で、いきましたよ。甲状腺外来。

ここまで言われるとさすがにガンかもしれないとひそかに震えつつ・・。

余談やけど、甲状腺外来って女性多い。んで美人でスタイルいい人多い。何故?

アタシ思いっきり浮いているじゃないですか。ココに居てもいいんですか?ネックレス

ピロピロなのに。

 

そこで言われた。

え~snowさんの甲状腺には嚢胞ができていますね。ガン?いえいえ違います。

良性の腫瘍で、中には水とかが溜まっているんですね。ほっといても大丈夫・・。

え?圧迫感ある?う~ん・・治療っていうと甲状腺とっちゃうんですよね。

甲状腺はあった方がいいので我慢してください。

で、一応定期検査には来てください。(結局行っていません)

でね~、難聴もあるんですよね~。こういう病気あるんですよ。

ペンドレッド症候群。

 

・・・・・・・・・ペンドレッド症候群?なんそれ?

 

いや~でもめったにない病気ですしね。違うかも。

 

・・っといいつつカルテには「ペンドレッド症候群疑い」ってしっかり書いてた。

 

なん?その病名・・・。

 

 

なんそれ?ペンドレッド?

 

・・・っと思ったのは一瞬。

昔からカタカナを覚えるのは苦手やった。

 

検査待ちで2時間、診察待ちで3時間、もうクタクタだったので診察室出るときには

綺麗に忘れたわ。カタカナ病名。

 

そのカタカナ病名とは・・なぜかちょくちょく出会うことになる。

 

まず、行きつけの耳鼻科医で。

あ~snowさん、ちゃんと甲状腺外来行ってきたんですね。病院から回答書届いてい

ます。嚢胞だったんですね。良かったですね。え~ペンドレッド症候群疑い?

ん~~~~・・でもこれはめったに聞かない病名ですねえ。甲状腺専門医が言うことな

ので、もしかしたら一理あるかもしれないけど・・・。

 

なん?ペンドレッド?

 

その耳鼻科医も評判がとってもいいらしく、常に満員状態で待ち時間が2時間はあった

ので、残念ながらなんたらレッド、もしくはペンなんとかくらいの記憶しか残らなかっ

たわ。

 

多分いつかに続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寒い・・・・「自分の声」について。

すっかり明けました。

毎日寒いですね・・。

寒いと肩凝るんですよねえ。

英語に「肩こり」という単語はないんだとか。

じゃあ、アメリカ人とか肩凝らないわけ?・・うらやましい。

「言葉が世界を作る」ってありますよね。そこにある花が美しいのではなくて、私たち

が「美しい」という言葉を持っているから、初めて花を「美しい」と感じることができ

るとか。

 

じゃあ、もしsnowが「肩こり」という言葉を知らなかったら、肩こらなかったんだ

ろうか?

 

それくらい言葉って大事ですよね。いや、肩こりは知らなかった方が幸せだった。

 

で、人工内耳を始めてからの「自分の声」について書きます。

はい、グイグイと攻めます。

 

先天性の難聴者にとって、聴くことも大変ですが、話すことも大変なこと。

基本的に自分の声ってどんなのかわからないですもんね~。

snowも自分の声はあまり知りません。

小学校5年くらいまではちょっと聞こえていたので、なんとなく自分の声はこういうの

だな・・っていうイメージはあったかもしれない。

 

で、小学校5年でほぼ失聴してから、自分の声って意識したことないんですよ。

今は周りが静かだから、小さい声でしゃべろうとかそういうのも全然なくて。

声を出してしゃべっているという感覚も、今思えばそんなになかったかも・・。

あ、どもったなとか詰まったなとか「さ」が「ちゃ」って言ってもたなとかそういう感

覚ほとんどなくて。ただ、だ~~~~っと喋っていただけだったかもしれない。

自分の声があってはじめて相手の反応があるのではなくて、相手の反応のみで会話を

成立させていたというか。

 

で、人工内耳の手術前、言語聴覚士さんに、術後に自分の声はどうなるか?って聞い

たことがあるんです。その時は、声の質まではわからないから発音は基本的には変わら

ないと言われていたんです。

 

けど、自分の声って、当たり前ですが一番よく聞こえるんです。

音が最も近いし、自分が発生した声は骨とかを伝わっても聴こえるんですよね。

 

人工内耳を始めてから、半年くらいで自分の声が分かるようになってきたと思う。

自分の声を久しぶりに聞いた感想は、「うげ、おばちゃんの声なっとう・・・」でし

た。なんというか小学校5年の私はもう少し甲高い声だった。

なんか、低い。

 

って、なんかほんとに大げさでもなくて小学校5年の10歳からいきなりアラフオーまで

の記憶がぶっ飛んでたような感覚ですわよ。えええ。

 

で、人工内耳を始めてから1年半後くらいに、「喋りづらくなる」っていう事態に陥る

ことになるのよね。もともと人工内耳はマップが4種類あるんです。これは毎回病

院でするマッピングという音の調整によってマップを設定するのですが、この頃っ

て単純に1~4までボリューム(マップ)を上げていっている段階で、1から少しずつ

音が大きくなって4までいっていたんです。

こうやって少しずつ大きな音に慣れていっていたのですが、最大音量の4になると1が

すごく小さく感じるんです。

そうすると、自分の声の聞こえ方がズレてくるんです。

あれ?あれ?こんな小さい声で喋っているつもりはないのに、聞こえてくる声が小さい

っていう違和感で、なんかうまく喋られなくなるんです。

 

うわあ、喋るのって難しい!!って初めて思いましたわ。

何でこんなに声が小さい?って無理に大きく喋ろうとするとどもったり詰まったりして

しまうんですよね。昔と違って、どもったり詰まったりしてしまう自分の声も聞き取れ

てしまうんです。それで焦って余計にしゃべりにくくなる悪循環で。

そうこうしているうちにホントに喋られなくなってきそうになりましたわ。

 

ボリュームを常に4にしておけばいいのですが、4だとうるさいっていう場面のときも

あったんですね、で1にすると喋りにくい、4に戻すと急に大きくなってまだ違和感が残

る・・という。

 

これは、簡単に解決しました。

マッピングで喋りにくくなるマップを消してしまえばいいんですね。

そうすると確かにしゃべりづらさは不思議なくらい消えました。

ただ、今入っているマップが将来また喋りづらくなる可能性はあるかも。

 

でも、人工内耳で聴こえるようになったとはいえ、自分の発音を直すのは難しいです

ね。人工内耳を初めて3年近くたった今では、自分の発音が周りとは「違う」のはなん

となくわかる。

低い声高い声、ぼそぼそとした声、こもった声、はっきりした声、ちょっと濁った声、

透明感のある声、いろいろな声があるけれども、私の声はそれらとは違った明らかに

異質な声なんです。

それは人工内耳のおかげでよくわかる。

例えばお店で「エビバーガーください」と自分が言ったあと、店員さんが「エビバーガ

ーでよろしいですか?」と聞き返したとき、自分の「エビバーガー」と店員さんの「エ

ビバーガー」が違うのがよくわかる。どう違うのかを説明するのはできない。それを

説明できれば、きっと私は店員さんの「エビバーガー」の発音を真似ることができると

思う。発音を真似ることができれば、おそらく異質な声は正常な声に近づくかもしれな

い。

ただ、どう発音すれば、どう今の声を変えればその正常な声に近づくのかは、おそらく

理解はできない。

それがおそらくは先天性難聴で、成年後に人工内耳を始めた人の「越えられない壁」な

んだろうな・・・と思う。

越えられない壁だけれども、それは受容していかねばならないと思う。

そうしなければしゃべることができなくなるから。

 

ただ、10年くらい前に会った人と久しぶりに再会しておしゃべりした時、何かのときに

人工内耳のスイッチを切ったまま発声した時、「あ、懐かしい。」って言われたんで

す。「そうそうsnowと10年くらい前に会った時、そういう声だったわ。」と。

なんか声が変わっているなあって思っていたと。それが人工内耳のスイッチを入れない

状態の声が昔の声だったと。

身近な人だと、私を呼びかけた時の「何ー?」っていう声を聞いただけで、今私が人工

内耳をしているかどうかわかるらしい。

「あ、今人工内耳してへんやろ!」ってすぐ言われますわ。

・・・ということは、人工内耳をしている時としていないときでまた声が違うというこ

と?…っと聞いたらそうらしい。

人工内耳をしていないときの声は「固くて」、している時の声は「やわらかい」という

違いがあるらしい。

snow自身は、人工内耳をしている時も外している時も全く同じようにしゃべってい

るのやけどもね。

 

でも、ある程度は人工内耳で発音は変わるかもしれない。

逆にしゃべりづらくなるかもしれない。

そういうこともすべて含めての人工内耳なんだなあと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工内耳の聞こえ方 術後2年5か月の・・・

 もう12月ですね。

 早いですね。

 人工内耳も、装着後2年5か月を迎えました。

 

 去年の今頃ってどうんだったんだろう?・・と去年の同じ時期のを見返してみると…

 

 

 『ぼぼぼの世界から始まった人工内耳ライフ、現在はどうなのかというと・・・・

  やっぱり「ぼぼぼの世界」ではあるんですねえ。

  宇宙語ではなくなった。地球語にはなった。

  でもフランス語なんだか英語なんだか韓国語なんだか中国語なんだか、サッパリわ

 かりません。

  色んな母国語を持つ人たちが集まって、ワチャワチャしゃべっているっていうイメ

 ージですわ。万国博覧会?』

 

 な~~~~んて書いているんですね。

 これびっくり!

 ほおおおおおおお、そうかあ、去年ってこういう感じだったんだなあ・・。

 今は・・・

 一応・・「日本にいるんだな」っていう感じにはなりました。あ、後ろの人「寒い

わ~」って言っているんだな・・・っていうのがたまにわかったりする。

 たまに、異国に紛れ込んでしまったかのようにわからなくなることもあるけども。

 初対面の人との会話も・・・まあまあできるようにはなった。

 そっか、最近は人工内耳がドンドン聞こえるようになっている!!って感動することは

なくなってきてはいるんだけど、ちゃんと確実に宇宙語から地球語に、そして日本語と

して聞き取れているようになっているんだなあ・・・と思う。

 ありがたい限り。

 

 んで、もう一つの問題(?)にも直面することになる。

 それが「自分の声」

 

 声の質なんかはわからないんだよね。そこはやっぱり人工的な音なので。

 男の声、女性の声っていうのはわかる。

 でも、自分の声ってわからんのだわ。

 でも、人工内耳のおかげで「周りの状況」はすごくわかるようになる・・。

 例えば、繁華街を3人で歩いているとする。

 私と、いつもしゃべる人と、ほぼ初対面の3人。

 「初対面の人」に何かを話す・・けど「んんん?ええっと何言っているんだろう?」

みたいな反応したら、昔のsnowなら、あ、きっと繁華街だし周りうるさいから聞き

取れんのかね?位にしか思わなかった。

 でも、「いつもしゃべる人」と「初対面の人」は普通に会話が成立している。

 しかも、「いつもしゃべる人」もそんなに大声で話していない、っていうのが人工

内耳だからわかる。

 あ、これが「事実」なんだといつも思い知らされる。

 初対面の人にはわかってもらいにくい声なんだなあ・・と。

 

 あるテーマ―パークで、スタッフさんに「このアトラクションはどういうものなの

ですか?」と聞いたとき、そのスタッフさんが笑顔で、「Can you speak

English? ・・OK?」って聞いてきはった。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほへ?

 なぜここで英語?って一瞬状況が飲み込めなかったけど、そのスタッフの胸のバッチ

見てようやく理解。「英語対応できます。」みたいなバッチ付けている。

 あ~~~日本人と思われていないのね。だからたどたどしい日本語喋っていると

思われているのね。

 コレもきっと昔のsnowだったら「Can you・・・」が聞き取れなかった

だろう。きっと「もういいです・・」って曖昧な笑み浮かべてその場から去っていっ

たかも。

 Can you・・・と聞いてきたスタッフさんはずっと笑顔でこちらを見ている。

 「私、日本人です・・・」スタッフからちょっと笑顔が消えて戸惑いの表情になる。

 「でも、耳が聞こえないんです・・・それで・・・・えっと・・もういいです。」っ

とその場を去りました。snow、根本的に進歩しないな。結局その場去るだけかい。

 

 そうか~・・初対面の人に話しかけるの難しい・・・・。

 次はやめとこう・・。

 

 っと思っちゃあ勿体ない。

 ここで引っ込んでどおする。

 何回かしゃべったら初対面の人は初対面ではなくなる。

 snowの声を憶えてくれる。

 

 ココはこう思わな。

 snow!!英語聞き取れたやんか!すごい!

 Johnに自己紹介されたら「は?常温?」って勘違いしなくてすむかも!!って。

 (「人工内耳の聞こえ方 術後1年5か月の常温」見てやってください・・・)

 

 それくらいのメンタルでやっていかんとね。

 

 人工内耳の術前に言語聴覚士さんに聞いたことがある。

 「人工内耳をつけて聞こえるようになったら、自分の声も聴こえますよね。そう

すると自分の発音は変わりますか?」と・・・。

 人工内耳をつけても声の質まではわかるようにはならないかもしれない、だから発

音はかわらないはず・・というのが答えだったように思う。

 ・・・snowの感覚では「変わることもあるかもしれない」 前述したように周り

の環境から自分の声を知ることもあるし、多分変わっているのかもしれない。

 それについては、また書いていきたいと思う。

 グイグイ書いていきます。

 

 それくらいのメンタルでやっていかんとね。

 

 

 

 

 

久しぶりに

 ほんっとに久しぶりにめまい起こしたわ。

 

 最近起こらないなあ~~~…っとめまいを「意識」すると起きるんだよねえ。

 ちょっとストレスもあったり、忙しかったりして。

 

 でも、いつも思うんだけど、必ずめまいの始まりは寝ている間なんですわ。

 外出中とか昼間に起きたことは、多分今までに1回だけ。ほぼ熱中症起こしかけてい

たと思う。大昔に暑い中運動会の練習をしていて、クラあッと。

 あとは全部寝返りを打ったときとかに、あれ?めまい起こしている!って気づくパタ

ーンか、起き上がるとき、オウチ回っているやん!!って。

 

 これ、よお考えたらありがたいわ。

 日中にめまい起こしたら、ちょっと日常生活に差し支える。

 寝ている時なら、まあ、朝起きてどうしたらいいか、ゆっくり家の中で考えられるも

ん。とりあえずトイレも目をつぶっていてもたどり着ける場所にあるし、ミンミントー

ル(snow愛用のめまいサプリ)もちょっと這っていったら引き出しの中にある。最

悪動けなかったら、布団の中でじっとしていれば何とかなる。

 これが外出中とかだったらなあ・・・。ちょっとしんどいかも。

 人工内耳の手術後、一番怖かったのが電車のホームなんだわよ。

 知っていました?ホームって電車側に向かって少しだけ傾斜しているんですよね。

 日常的にめまい起こしている状態で初めて気づいたんだわ。体が電車側に引っ張られ

る!!って。なんで?って傾斜しているからなんだわ。電車側に向かって少しだけ下が

っているの。

 雨とか降ったらよくわかる。雨水って必ずホームにたまらずに流れていくもの。

 流れるのは雨だけじゃなくて、めまいな自分もなんだわな・・。

 あと、ホームの階段があって狭くなっている部分。あれも怖い、今でも怖い。

 健康だったら全然傾斜とか気ににもならないけど・・。

 

 今回のめまいは、おもいっきり原因わかってた。

 うん、アタシ疲れている!120%力を出し切っていて疲れている。

 だから、ミンミントール飲んで、サロンパス(肩こりもひどいので)貼って寝る!!

 本当は頭動かした方が、めまいが治るのも早いけど、寝る!!

 幸い土日だったこともあって、思いっきり寝た。

 朝起きて、すぐ昼寝して、昼過ぎに起きてまた寝て。

 猫って「寝子」っていうくらい寝るんだよねえ・・なんてよくわからないことも

考えながら寝た。

 2日でキッチリ治りました。

 

 うわあ、めまいがしていない日常ってなんて幸せ。

 それが当たり前なんだけど、回っていないオウチってなんて幸せ。

 

 ストレスは溜めたらあかんな。あと頑張りすぎるのも考えものやな。

 

 のんびり暮らそうっと。

 なかなかそうもいかんけど。

 

 

 

 

 

 

スパイをあきらめる

 昔、スパイになりたかった。

 

 もちろん嘘です。

 でも、もしかしたらスパイになれちゃうかも?なんて思っていた時期はあった。

 小学校5年くらいで、めまいを起こして聴力低下後、5年くらい補聴器がまったくで

きない時期があったんですね。

 その間のコミュニケーション方法は口読とか読話とか読唇とかいう「口の形を読んで

相手の言葉を理解する」というもの。普通学校に通っていたので手話を覚える機会も使

う機会も全くない。補聴器が使えないから完全に音のない世界。

 そういう中で、コミュニケーション手段というと筆談と読話くらい。

 筆談はいつもどこでも誰でもしてくれるわけでもなかったわ。

 そうなると、読話がメインになってくるわけで。

 相手の口の形を読んで、何を言っているか理解する。

 簡単そうでこれがまあ難しいんだわ。

 ア行が基本になって、そこからカ行サ行タ行ナ行・・・のそれぞれの口形を覚えるん

だけど、はっきり言って、ア列のアカサタナハマヤラワの口形ほぼ全く同じ

 「カ」を伸ばして発音すると「かーーーーーあ」ってなるし、「サ」を伸ば

して発音すると「さーーーーーーあ」ってなるんやわ。最後は口の形を変えなくても

「あ」に戻るからねえ。この説明・・・わかるかしら??

 「マ」が口を閉じるくらい。あとは口の形はほぼ変えることなく発音できるから。

 そうなるとイ列のイキシチニヒリも口形はほぼ一緒。

 次のウ列のウクスツヌフルも口形はほぼ一緒。

 当然、エ列のエケセテネヘレも口形はほぼ一緒。

 最後、オ列のオコソトノホロも口形はほぼ一緒。

 

 ま~~、苦労したわ、読話覚えるの。

 舌の動きとかわずかな筋肉の使い方の違いとか、そういうのを視ないとわからん。

 やっとこなんとか覚えたか?と思ったら、見事に一人ひとり口形が違う。

 また、その人独自の口形を覚えていかんなあかんわけだわ。

 ま~~~~~~~~~~~~~~~~~、ほんっと苦労したわ。

 

 3~4年かかったかな。それくらいしたら5~6人の口形は同時期に覚えることがで

きたかな。慣れた人となら、傍から見ていたらsnowが全く聞こえないことはわ

からん位普通に会話できてたらしい。

 が、この時期の親友は、全く声を出さずに口形だけでsnowと喋っていたらしい。

 なので、周りから見たらsnowだけがしゃべっているように見えたらしいわ。

 ほぼ独り言やんか。

 

 で、ここにくるとsnow、思っちゃうわけである。

 声がなくとも相手の言っていることがわかっちゃうなんて・・・

 アタシもしかしてすごいんちゃう?と。

 このまま究めたら・・

 スパイになれるんちゃうか、と。

 それで生計たてられるんじゃないか、と。

 そしていつの日にか、存在そのものが国家機密になるんじゃないか、と。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 当然のごとくどこからもスパイにスカウトされることもなく、月日は流れ、

 人工内耳を始めました。

 すると

 すると

 すると・・・。

 

 聞こえるようになるにつれて・・・

 

 あれだけ苦労して身に付けた読話術・・

 

 綺麗にサッパリ忘れちゃったのである。

 

 

 

 多分・・脳の領域が一緒なんでしょうねえ。

 視覚領域で読話しているように思っていたけど違うんだわ。

 さっぱり使うことがなくなった聴覚領域で読話していたんだわ。

 点字を指で読むのは、晴眼者では絶対にできないという。

 それと同じで。

 聞こえないからこそ、あれだけの読話ができていたんだわ。

 

 で、ずっと読話をしていた脳の領域に、音が入って・・その音を聴くことでいっぱい

いっぱいになると、だんだん脳は聴くことにウェイトを置き始めて・・。

 でも、人工内耳でまだそれほど音が理解できるわけではない、まだまだ読話に頼って

いたのが術後半年から1年くらい。

 その時期に、自分の意志に反して、脳が読話を忘れていったのは・・・

 うん。

 うん、そやなあ・・。

 しんどかったなあ。

 

 アタシ、読話も忘れていっちゃう。

 忘れたくないのに、まだまだ頼りたいのに、相手の話をちゃんと聞きたいのに

理解したいのに、会話したいのに・・。

 まだまだ人工内耳は音を聴くことができないのに。

 「人工内耳の限界」がいつくるのか。

 毎日毎日変わりゆく聞こえ方の中で、聞こえる範囲が広がるのに驚きつつ、その反面

限界がもうすぐそこに来そうな予感もあって。

 でも、その限界域で会話が不自由なくできるという自信は全くなくて。

 

 私の読話!!忘れたくない!!ちゃんと覚えておきたい!!って泣きそうなくらい思

っているのに、へっぽこ脳みそは、アッサリと「そんな二つもできんわ。」って、ポン

ポンと読話をそこらへんに置いていくんだわ。

 スパイ?何それ?寝てんのか?みたいなかんじで。

 

 

 

 で、人工内耳を始めて2年過ぎました。

 だいぶ人工内耳だけで会話ができるようになりました。

 ほんまにありがたいことですわ。 

 今は、あの時は不安やったなあって笑って思い出にできている。

 

 困るのが、電池切れとかで人工内耳のスイッチが切れちゃったとき。

 

 おい、へっぽこ脳みそ。

 こおいうとき困るだろ?

 ちょっとは覚えとっても良かったんちゃう?

 

 こういう時は、へっぽこ脳みそも「あああああああああ、うっひょえ~~」ってな

かんじで、ちょっと頑張って口形を読み取ろうとする。

 ほんのちょびっとやけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

語音検査と単語検査

 暑中お見舞い申し上げます。

 暑いですねえ・・・。なんかもう毎日眠たいです。

 なんでこんな眠たいんだろ?昼寝したら2時間くらい寝ますわ。寝すぎや。

 

 そういえば、このブログに訪問してくださった方で、検索のキーワードが「人工内耳

ジェットコースター」ってあったんです。人工内耳でもジェットコースター乗れます

よ。術後9か月くらいでUSJのハリウッド・ドリーム・ザ・ライド乗りましたもん。

バックドロップのほう。バカですね。まだめまいも完全には治っていないのに。

 ただ、乗る前に人工内耳は外しました。吹っ飛んだら泣きますもん。

         

  

 

 

 え~、もうちょっとで人工内耳を始めてから2年が経ちます。

 早いもんだわ。

 今年の夏は蝉の音がうるさくてびっくり。

 今までこの音が、補聴器で全く聞こえていなかったんだなあとか思います。

 で、蝉ってずっと鳴いているイメージだったんですが、そうでもないんですねえ。

 

 人工内耳も、だいたい35~40dBでフラットに音が入るようになりました。

 補聴器時代でも、多分・・補聴器入れて80dBとか90dB位だったんかなあ?

 それに比べたら、随分と聞こえていますよね。

 で、こないだ病院に行ったときにテストしたんですわ。

 語音検査というのが、「か」とか「ら」とか1字ずつの音を答えていくもの

 単語検査が「さる」とか「たまねぎ」などの単語を答えていくもの。

 

 この語音検査の方は、手術前にもしたことあるんです。正解率10%とかそんなんや

った。おおおお、10%もわかるんや!!ってびっくりしたのですが、まぐれでわかる

率とか言われましたねえ。そうか?まぐれでも10%ってすごくない?

 

 で、人工内耳装着1年半後、snowはめっちゃ自信持っていました。

 80%正解はできすぎとしても、70%はかたいな・・ってね。

 で、この検査早くしたくてうずうずしていたんですよ。

 10%がどこまでいくかな!!??って。

 

 そしたらさあ、語音検査、これがわからん。

 ・・・全部同じように聞こえるっていうか、まみむめもばっかり言っていません?

 ・・・結果、50問中23問正解で46%。

 あり?

 

 でも、単語検査は得意かも。うん、単語検査は70%はかたい!

 子音だけよりも単語で聞く方が、理解しやすいもん。

 そしたらさ、そしたらさ、男の声なんだよ。

     ・・・・・・・・・殿方の声苦手なんだよ!!全部濁音系に聞こえるんだわよ!

 お姉ちゃんの声にしてくれ!

 まさかの男の声で意表突かれすぎで、ボー然としているところ始まったわ。

 最初に練習です・・っていうのが「ナムル」って聞こえたわ。

 ・・・・・、ナムル、そんな単語テストで出ないやろ。

 答えは「なおる」だったわ。

 そんな感じでさんざんでしたわ。

 「ならべる」に至っては、「ネルネル」って聞こえるし・・

 ねるねるねるね

  そういうお菓子あったな・・・・・。そんな単語出るわけがない・・・・。

 この検査装置がクラシエ(ねるねるの製造会社)の提供とかだったらあるのか

な・・・。

  

 

  25問中10問正解で40%・・・。

 

  まだまだ修行の道は険しい・・・ですかね・・・・。

 

 でも、実際の生活上は結構聴こえているっていう実感はあるんですよね。

 聞き間違いはあるだろうし、100%とかいかなくても、だいたい会話は1対1な

らだいぶ聞き取れている・・・と思うし。

 ただ、どうしても聞き取れない人っているんですわ。声が大きいけど全部同じ音

に聞こえるとか、声そのものが聴こえないとか。

  その逆で聞き取りやすい人もいるんですが・・。

  あと初対面の人だと、最初はどうしてもわかりにくかったりします。

 

 うん、だからあの検査用のCDを借りて、毎日聞いていれば聴き取れるようになる

かもしれない。

 昔小学校とかで、保健室の視力検査表の C ←こんなんの向きを一生懸命覚えて

検査当日に2.0目指したりとかしているのと同じで。←同じちゃうわ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月の憂鬱

 あっという間に4月ですね。

 snow、花粉症持ちです。

 花粉症とのおつきあいも20年超えましたか・・。

 っというか、つい最近まで完治したと思い込んでたんですよ。

 花粉症=くしゃみ5回連続 だったので。

 最近はくしゃみ5連続ってまずなかったので、おお、ついに花粉症完治??っと

ウキウキと春を迎えておりましたんです。そしたら周りの人に言われましたわ。

 snow、めっちゃひどい花粉症やなあって。

 鼻が詰まってフガフガめっちゃうるさいらしいです。

 ・・・・・・・・・・・・。

 花粉症も末期になると、くしゃみをする元気もなくなるんですわ。

 もう、鼻つまり過ぎて息するので精一杯で、何も考えられない。

 自分が花粉症かどうかすらわからない。←それもどうかと・・・・。

 

 で、1つ気づきましたわ。

 聞こえが花粉症の影響受けてない!!

 前庭水管拡大症な場合だけかもしれないのですが、補聴器装着のときって、鼻が詰

まると聞こえがガクッと落ちるんですよねえ。閉塞感というか詰まったような感じで

なんか聞こえない。風邪ひいたときも同じく。

 

 今って、右鼻の通過度マイナス30パーセント、左鼻の通過度マイナス12パーセ

ント、もうエラ呼吸と皮膚呼吸だけが頼りです・・・・みたいなときでもちゃんと聞

こえは変わらないんですわ。

 これは凄い!!

 人工内耳って、花粉症対策までしてあるんですねえ←してないって。

 

 んでも、脳みそに供給される酸素は確実に足らない。

 エラ呼吸と皮膚呼吸を駆使しても、酸素が足らない。

 よって、脳みそはボッケーーーーーーっとしている。

 

 なので、聞こえてても何言っているかわからない。