alongsnowの日記

ペンドレット症候群により、先天性難聴。今は人工内耳ライフです。

「聲の形」を読んでみた

 聲の形読んでみた。

 話題作だそうで・・単行本7巻大人買いして読んでみました。

 大人買い・・シアワセやなあ。

 

 全巻読んでみて・・なんやら違和感。

 主人公が聴覚障碍のある西宮硝子ではなく、健聴の石田将也だからなんだろうなあ。

 健聴者の視点で書かれてあって、硝子が自殺を図るほどにまで負っていた心の傷は

結局何も解決されていないような気がするんだわ。

 ただ単に、小学生時代という過去の出来事が自殺の引き金になるのであれば、将也

から離れたらいいだけなんだわよ。

 虐めっ子だった将也が変わっても、周囲の友達が変わっても、だからといって「自

分にとって居心地のいい場所はない。」小学生時代に辛い思いをしたのは、虐める人

がいたからだ。そういう「納得」をしていたのかもしれない。でも、手話も覚えて、

自分を理解しようとしてくれている(?)将也であっても、辛いことはなくならな

い。

 自分が「聴こえないこと」が、これ程にまで自分を「生きづらくしている。」

 結局のところ問題は「自分自身」だったことに気付いてしまった結果なのかなあ

と。植野もすごいな「害悪」って言ってる・・・。それを言わせる作者すごいわ。

 聴覚障碍ってどうしようもないじゃない。努力で何とかなるもんでもないし。

 軽い障碍ではないから、人格形成にも影響与えるし。

 

 「仲間」で映画を作ることになった。でも自分にとっての「役割」はない。いても

いなくてもいい「自分」

 周りが楽しんでいるよう、でもどうして「楽しんでいるのかわからない。」

 何か揉めている、どうして揉めているのかがわからない。聞いても誰も答えない。

後で妹に聞いたところ「自分の小学時代に関係があること」だったとわかる。

 いなくてもいてもいい自分であるはずなのに、自分が存在するだけで「仲間」が

「仲間」ではなくなってしまう。

 

 ・・・・・・・・・・・・・でも、それで自殺図るか・・・・なあ・・?

 命・・・軽くない?

 まずこれが違和感。

 

 

 この「聲の形」は、伏線とリフレーミングがめっちゃ多い作品だと思う。

  

 何度か出てくる「筆談用ノート」

 これもまたよく出てくる「ガーデンピック」(これ何だったんだろう?)

 

 あと「目には目を。歯には歯を。」

 

 小学生時代に硝子をいじめた将也。

 将也達が壊したりしていた補聴器が8台あって、それが170万円となることを校

長が総合学習で告げる。それがきっかけで将也もクラスメイトがら虐められるように

なる。

 将也の母親が、硝子の母へ弁償として170万を渡す。

 そして月日が流れて、自殺を計画する将也が、母親に170万円を還そうとする。

 よお170万も入る封筒あったなあ。ずっしり感半端ない。

 

 そっから、物語は流れて、

 

 硝子が飛び降り自殺を図る。それを助けようとして将也が落ちて意識不明となる。

 意識を回復した後、石田家を訪ねた硝子の母が、将也の母親に「入院費です」と言

って渡す封筒・・

 

 めっさ薄!!!

 

 幾らだろう?将也の母親が「これでお寿司取ろう。」と封筒から一枚抜き出すシー

ンで、多分数えられるわ。多分15枚。まさか千円札とか五千円札ということはない

だろうから15万円。多分15万円くらい。

 封筒の分厚さ見たら、10万くらい?って最初思ったけど15枚は入っていそう。

 

 いや、別に8台の補聴器の弁償代の170万とこの約15万が繋がっているわけで

はないかもしれない。

 でもここまで「伏線」と「リフレーミング」と「目には目を歯には歯を」をずっと

繰り返し続けているこの作品見ていると、思ってしまうのよ。

 

  補聴器8台、170万円也

  命懸けで自殺から救って、意識不明になって15万円也

 

 どおなん?

 大黒柱の父親がいない母子家庭だったらそれが精一杯・・・はないぞ。

 将也も母子家庭だ。

 兄弟も同じく二人。

 経済理由はないわよ。将也の母親は170万弁償したから。

 高校生の将也ですら、170万母親に返そうとしていたから。

 漫画だったらできる。高校生でも170万稼げる。

 

 ・・・・・・・・・・・・・いや~~・・。

 

 そこが違和感。

 170万に入院費と慰謝料たして200万にして渡したらどうにかなるもんでもな

いだろうけど。それでもう伏線もリフレーミングも「リセット」してもらって真白な

状態で、そこから将也と硝子がどうするか道を選択してもらいたかったかも。

 

 アタシが硝子だったら、多分将也は選ばん。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対決シリーズ パトカー VS Snow

 作ってみました。対決シリーズ。

 

 補聴器時代の話ですわ。

 Snowは、一応車の免許は持っています。

 そして、たまに乗ります。田舎なのでね~。車がないと生活できない。

 

 人工内耳を始める3年くらい前から、聴力がドンドン落ちてきて何が困ったって、

サイレンがわからない。消防車・救急車・そしてパトカー。

 最終的には、真後ろに来て初めて来たのに気付くくらいサイレンが聞こえなくなっ

ていたかなあ・・。高い音から聞こえなくなっていくんですね。

 

 運転中の出会い率が高いのが、まず救急車、そしてパトカー、最後にほとんど巡り

会わない消防車。

 救急車はまだわかる。周りの車を観察していたら、路肩に車を寄せて止まったり徐

行するので、どの方向から救急車が来るかというのは予想できる。当たり前だけど、

前から来る救急車はよく見えるのでわかる。前に救急車がないのに、周りの車が徐行

し始めたら、後ろから来るんだろうな・・とか予想できる。

 で、警告灯を見れば、急患を搬送し終えて帰還中だとか、今警告灯が回っているか

ら搬送中なんだなということわかる。

 

 サッパリわからないのがパトカー。

 警告灯がずっと回っているので、今、犯人を追いかけてサイレンを鳴らして走って

いるのか、ただのパトロール中なのかがわからん。

 下手したら、Snowが何か違反を起こしていて追いかけられているのかもしれな

いじゃないですか。恐ろしい・・。 

 Snowの車とパトカーの間にほかの車があれば、何となく今はただのパトロール

中だなとかいうのがわかるけど、真後ろにパトカーが来られると、もう挙動不審者に

なってしまうのである。

 

「ああああアタシ、何かしたかなああ??!!」

 

 今、サイレン鳴っているのかしら、そして「前の車!!止まりなさい!!」とか命

令されているのかしら?それともただのパトロール中??警告灯見たら・・・思いっ

きり回っていますやん。どどどどないしょ?とりあえず路肩止まっとく??

 

 毎回毎回それで挙動不審なりかけたけど、解決方法が見つかった。

 パトカーのお巡りさんの顔を見る。もちろんバックミラーで。

 そしたら大体わかる。あ、穏やかな顔だなとか、普通の顔だなとか。

 多分緊急時だったら、もうちょっと違う顔しているじゃない??

 

 ああ、すごいやんかSnow。

 これでばっちりやん。

 

 ・・・・・・・・・・・・っと思ってたら、新型インフルエンザがやりよったわ。

 あの時は日本国民全員マスク着用してたよねえ・・。

 それ以降、新型インフルエンザ騒動が終わってからも、ずっとずっとずっとパトカ

ーのマスク着用率、すごく高!!

 規定されているんだろうか?パトカーに乗るときはマスク着用とか。

 

 マスクでまったく表情分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪とめまい

 すっかり明けました。

 最近カレンダー見るの怖いわ。

 あっという間に1年終わったわ・・とか思ってたら、もう1月終わりじゃないです

か。アタシ何してたんだ?

 

 なんか風邪ひいてもた。

 普通平熱ってどんくらいなんだろ?アタシ高いんです。37度くらいです。

 低いときでも36度6分くらいでね。

 なので38度くらい出しても、微熱程度の感覚です。

 でもさすがに38度6分なるとしんどいわ。

 インフルじゃなかろうか?と気づいたときはもう3日くらいたってて(ね、日が過

ぎるのなんか早いんです。)タミフル飲んでも無駄だなと病院もいかず、すぐ治る

わと過信してたら2週間もかかったわ。

 とっとと病院行けばよかった。

 

 風邪治った後くらいにマッピングで、病院行ったんです。

 マッピングというのは、人工内耳の聞こえ方の調整・・ですかね。

 術後1年くらいは、このマッピングがすごいめぐるましくて、ほんとに1週間単位

で聞こえ方がどんどん変わってきていたのですが、今はもうだいぶ落ち着いたかな

あ。新しい音ももうあんまり入ることもないのですが、ST(言語聴覚士)さんが

せっかくだから、ちょっとあげよかあ~っと。

 どの音上げるんですか?って聞いたら、「低音をちょっと」と。

 この低温ちょっと苦手なんです。ふつうは高音のほうが苦手な方多いらしいけ

ど・・。高音はナイロン袋ガサガサさせる音とか、食器をカチャカチャさせる音がす

ごい大きく聞こえるんですわ。ただ、声に透明感が出るのでワタシは好きなんです。

 低音入れると、めまい起こすんですわ。

 めまいを起こす時って、だいたい音が響いて聞こえるようになった後なんですわ。

 響くというのは、普段よりも低く重く聞こえるかんじで。

 その癖がまだ抜けていないようで、ど~も低い音が聴こえるようになったら、脳み

そが勝手にめまいを起こしちゃうんですわ。条件反射?

 今回も脳みそがめまい状態作り出しちゃって。

 せっかく風邪治ったところなのに。

 今回は、脳みそが「ああ、勘違いしちょったわ。すまんすまん」ってなかんじで1

日でキッチリ治ったけど。

 USJに行って、1日ジェットコースターに乗りっぱなしだったと思えばいいか。

 めまい慣れしているから、乗り物酔いってないんですわ。

 4日くらいめまい起こしてたら、初めて、なんか酔ったかなあ・・って感じるくら

い。多分、4時間くらいならジェットコースター乗りっぱなしでも平気だと思う。

 

 昔よりめまい自体に恐怖を感じなくなったのって、きっと人工内耳だからだろう

な。グルグル回っとるわ~~~っていうときって、補聴器のスイッチ入れるのすごい

怖かったんです。聞こえが全く変わっていないこともあるし、音が低重音で響くこと

もあるし、ガクッと聴力落ちることもあるし。

 でも、今はどんなにめまいを起こそうとも、人工内耳のスイッチを入れるとちゃん

と聞こえて。

 その事がすごいありがたいなあ・・・と思ったり。

 

 へっぽこ脳みそが勝手に勘違いして、めまい起こすのは勘弁してくれって思うわ。

 さすがsnowの脳みそだわ。

 

 

 

 

 

 

人工内耳の聞こえ方 術後1年5か月目の常温

 急に寒くなりましたねえ。

 フッとカレンダーを見たら12月じゃないですか。

 今年もあと1か月・・・も残っていないじゃないですか。

 ブログも滞りっぱなしですわ。 

 

 誰も見ていないだろうな・・・っとこっそり始めたこのブログ、時折見てくださっ

ている方もおられるようで嬉しいです。聴覚障害持ちながら生きていくってしんどい

じゃないですか?そういう中で、たまにはフッと笑ってもらえる瞬間があったらいい

なとか思いながら書いています。

 

 

 ぼぼぼの世界から始まった人工内耳ライフ、現在はどうなのかというと・・・・

 やっぱり「ぼぼぼの世界」ではあるんですねえ。

 宇宙語ではなくなった。地球語にはなった。

 でもフランス語なんだか英語なんだか韓国語なんだか中国語なんだか、サッパリわ

かりません。

 色んな母国語を持つ人たちが集まって、ワチャワチャしゃべっているっていうイメ

ージですわ。万国博覧会

 

 じゃあ、会話はわからないのか?というと、わかるんだな。これが。

 いや、100パーセントではないけども。40パーセント切るか切らないかくらいかな

あ?

 脳みその補完機能というか錯覚機能というのか、想像機能ってすごいですわ。

 私が装着している人工内耳はコクレアのN5で、24本の電極から成るそう。

 この24本がどう働くのかは、今一つ理解できていません・・。

 理解できていないのに書くなよって思いますが、えいやっと書いちゃいます。

 

 健聴であれば蝸牛神経が35000本ほどあって、これが音を聞き分けているんだ

そうな。だから女性の声、男性の声、子供の声、高齢者の声、母国語、外国語など幅

広く聞き分けられるのだろうと思う。きっと「おじいちゃんの「あ」の音がしたら反

応する神経」とかそういう役割が一本一本の蝸牛神経にあるんだわ←本当かいな

(汗)

 

 それが人工内耳だと24本。だから、なんていうのかアイウエオがクッキリとわかる

ほども多様多種な信号は出せないわけで。

 例えば、電極に1~24までの番号を振ったとしたら、

 「お」という声に電極の3・8・9が反応する。

 「は」という声に電極の2が反応する

 「よ」という声に電極の3・18・21が反応する。

 「う」という声に電極の16が反応する。

 これが「おはよう」になると3・8・9→2→3・18・21→16の順に信号が

脳に伝わる。そうすると脳みそが、あ、このパターンはおはようだなおはよう。きっ

とそうだろうなと理解すると「おはよう」っぽい声が聞こえたようにsnowは感じ

るんですわ。で、目の前にいる人がおっさんだったら、おっさんっぽい声になるんで

すわ。

 うん、脳みその想像機能というか補完機能。

 

 成人後の人工内耳は、失聴する前の記憶を頼りに音を覚えていくっていうのはこう

いう事なんだろうなと思う。

 で、脳みそがこのパターンだったらこういう単語っていうのを覚えてくれて初めて

音が言語として認識されると。

 だから時間がたてばたつほど、聴く経験が増えたら増えるほど、だんだん言語とし

て聞き取れるようになるんだわ。多分。

 頑張れ、アタシの脳みそ。

 

 だから、初めて聞く単語って、仮に聞き取れてもわからないんですわ。

 「ジョーオン」が聞き取れたのにわからんかった。

 「常温」っていう単語は見たことがあるし、自分も3年に1回くらいは使う言葉な

ので意味は分かる。

 「常温で保存してください」って言われたら、ほら、醤油とかは常温保存じゃな

い?卵はスーパーでは常温で置いてあるのに、なんで家に持って帰ったら冷蔵庫で保

存するんでしょうね?どの冷蔵庫にも卵入れるケースついているじゃない・・・・い

やいや、話それた。

 でも、小学校5年で「常温」っていう言葉は多分・・・聞いた経験はない。

 だから「じょうおん」って言うんだと思っていたのよ。脳みそは「常温」の読み方

は「じょうおん」だと記憶しているんだよ。

 そしたら、おっさんが「ジョーオン」って言ったのよ。

 いきなりこのおっさん、何語しゃべりますの?って思いましたわ。

 「女王・ON?」なんやの?イギリスかどっかの女王がお出ましになるの?

 ジョンっていう名前の犬を呼んでいるの?「ジョーーーン!!」なの?私ジョンっ

ていう犬に似ているの???!!

 

 ・・・・って、坐薬受け取りながら思いましたわ。薬剤師のオジサマは「常温では

保存しないでください。」って言ってたのよ。

 (いや、痔持ちとかではなくてですね、熱下げるほうの坐薬ね。)

 はあ、「常温」は「ジョーオン」って発音するのねえ。

 漢字検定の2級くらいに「常温」の読み方書きなさいって問題ありそうじゃない?

そこに「ジョーオン」って書いたら即ペケだろうに。

 

 脳みそが「常温」は「ジョーオン」だときっちり記憶していたら、もし、カッコい

い外国人の男性が「My  name is John」とか自己紹介してくれたら、きっとsnow

のへっぽこ脳みそは「私の名前は常温です」って変換するんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

前庭水管拡大症とめまいについて

 今日はちょっとめまいについて書いてみようと思う。

 

 但し、snowはステロイドによる治療を受けたことはあまりありません。

 たまたま当時の担当医がステロイドをあまり積極的に使うタイプでなかったので。

 リンデロンとか飲み薬でちょっと飲んだくらい。

 入院して、ステロイドを点滴したことはありません。

 

 でも、耳鳴りとかめまいとかがあって聞こえづらい(突発性難聴など)ときは

すぐに耳鼻科に行ってください。ステロイド療法を受けたら聴力が回復することもあ

るので、今度の土曜に行こうかとかではなくて、仕事を早退してでもお子さんを連れ

てでもなんでも、すぐに耳鼻科へ行ってください。48時間以内に適切な治療が開始

されれば予後がいいそうです。48時間で適切な治療が開始されるかどうかは、その

かかった耳鼻科が正確な診断をできるかどうかもあるでしょうから、とにかく早めに

受診してほしいと思います。

 

 snowのめまいは前庭水管拡大症によるもので、前庭という部分が太いために

リンパ液かなんかの液体が過剰にありすぎて、そのリンパ液が平衡感覚を調整してい

三半規管に流れ込んでしまい、それでめまいが起こるんですね。

 川と同じようなものでしょうか。水量が少ない時は穏やかな流れになるけど、台風

とか大雨になると氾濫しますよね。そういう感じです。

 三半規管と蝸牛の間が前庭だったと思います。

 厄介なのは、このリンパ液が過剰に蝸牛にも流れ込んで、蝸牛の中にある、音を信

号に変えて脳に伝える働きをしている有毛細胞を損傷してしまうんですね。

 これが、前庭水管拡大症がめまいと聴力低下を引き起こす原因ということだと思い

ます。

 必ずしもめまいを起こした時に聴力が落ちるということではないのは、この過剰に

流れ込んだリンパ液が三半規管のみだった場合があるからだと思います。

 でも、めまいを起こしているということは前庭に、リンパ液が過剰に溜まっている

状態なので、蝸牛にも流れ込みやすい環境が作られてしまっているということですよ

ね。

 どうすればいいのか?というのは、現在は治療法が確定されていないので・・。

 もうできる限り、めまいを起こさないこと。の一言につきるのかもしれません。

 ・・・・・。

 難しいですよね~。

 このめまいを引き起こす原因なんて星の数ほどあるわけで。

 疲れたとき、冷やしたとき、頭を大きく振るようなことをしたとき、頭を打ったと

き、寝不足なとき・・・。

 snowが子どものころは、前庭水管拡大症なんて病名もなかったし、めまいと聴

力低下の因果関係もはっきりしていなかったので、それほどめまいを起こすと聴力が

喪われていくっていうことを考えたりはしていなかったんですよね~。

 何回も発作を繰り返していくうちに、あれ?聴力も落ちるな?とかちょっと聞こえ

づらくなったかなとか・・。

 ドンっと聴力が落ちるときもあれば、不思議と前よりも聞こえ方がいい、なんてこ

ともあったり。

 

 snowは小学校5年までは、このめまいとの付き合い方、今思えば下手だったな

あと思う。めまいが起きたら、ずっと寝たきりでできるだけ頭位は動かさないでひた

すらめまいがなくなるまで寝たきり。

 起き上がるのは病院とトイレに行くときだけ、寝返りも全く打たない。

 グルグル回っている状態がキライだったんですね。

 

 小学校5年くらいでめまいの発作がピタッと止まった・・・と思っていたら、また

再び発作起きたんですねえ。今から10年くらい前かな。

 夜布団に入ったとき、なんか懐かしい感覚。あ、これめまい起こす前兆だ!!っと

思った瞬間グラッと。

 あーあーあー。決別したと思っていたのに20年ぶりかあ。

 でも、当時snowは仕事してて、明日なんて絶対休めない。

 1週間寝たきりなんて無理。

 で、荒治療に出る。

 コツはひたすらめまいを起こす。

 

 寝た状態で行います。 

 右耳を下にしていたら、目をつぶってゆっくりと仰向けになる、できることなら左

耳が下になる位置まで頭を動かす。目をつぶっていてもグルグル回っている感覚わか

りますよね?だんだん落ち着いてくるのもわかりますよね?

 あとちょっとでめまい消えるかな・・ぐらいのタイミングで目を開ける。

 グルグルがだんだん落ち着いてくるのを目で見て確認する。

 落ち着いてきたら、こんどは反対の位置にまた頭を動かす。ゆっくりと。

 目をつぶったままのほうが楽だと思います。で、また落ち着くちょっと前のタイミ

ングで目を開ける。めまいが落ち着くのを見届ける。

 こうすると脳みそがめまいに慣れるというか、学習するらしい。

 あ、こういうタイミングでめまい起きるんやって。

 何度か寝返りを打っているうちに、めまい小さくなりませんか?

 で、そのめまいがだんだん小さくなって、寝返りが平気で打てるようになったら、

寝ちゃってください。

 めまいは体力を奪うので、寝ましょう。

 寝ているうちに、自然と寝返りを打って、その度に脳みそが頑張ってくれます。

 そうすると朝にはめまいだいぶ治まっています。

  おすすめは蜂の子パワー ミンミントール。町の薬局で売っていましたわ。

            蜂の子パワーミンミントール120カプセル

 

 

 100粒で5000円くらいの結構なお値段。

 高いほうが効きそうな気するよね?私だけ?

 ローヤルゼリーとか耳鳴り・めまいに効くのは結構有名な話よね?

 むかし、母親が買ってくれたローヤルゼリー。ちょっと癖があるけど甘くておい

しいからっておやつ代わりに平らげたら、二度と買ってくれなかったわ。

 小瓶で1万くらいしたらしい。

 この蜂系、

 多分、脳みそのめまいを学習する分野の好物なんだと思う。

 聴覚神経とか平衡感覚神経とかあの辺を司る脳の分野ね。よくわからんけど、

 勉強するときに使う分野はブドウ糖とかさ。多分。

 ステロイドもこういう蜂系と効能は一緒なんだろうと思う。 

 

 寝返りを打ちまくって、めまいにとりあえず慣れてきたら起き上がります。

 起き上がった時のめまいが一番きついのよね~

 で、戸棚に鎮座しているミンミントールを取り出して、台所で水と一緒に飲む。

 薬ではないんだから、牛乳と一緒に飲んでも大丈夫だけど。ビールはやめといた

ほうがいいかも。

 この起きあがって、めまい起こしておくのも大事。脳みそも疲れながらも覚えてく

れます。

 起きたときもめまい起きるんかと。何のダジャレ・・・。

 ヨシヨシ、脳みそにも好物は与えた。ローヤルゼリーほどではないけど高かったん

だぞ。運悪かったら8000円とかの時もあるからさ。頑張ってめまいを学習してくれ。

 で、寝る。

 朝、かな~~り治っています。

 

 このミンミントール、めまい系だけですわね。

 これだけ効くんだったら!!!っと、一度試験前に飲んでみたけどサッパリでした

わ。サッパリ過ぎてミンミントールのせいにしたくなったわ。

 

 他にも蜂系のサプリメントはいっぱい出ています。

 私はミンミントールが一番確実ですが。

 

 この頃は残存聴力、あんまりなかったのでアタシはそのまま仕事に行きましたが、

聴力残っている人は耳鼻科に行ってくださいね。48時間以内ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工内耳の術後の後遺症

 人工内耳の手術をして1か月後。

 このあたり結構しんどかった記憶がある。

 音入れしてから3週間後。まだまだ「ぼぼぼ」の世界。

 なにより手術の後遺症のめまいに苦しめられた。 

 

 手術から目覚めてすぐに言った言葉が「めまいしてるやん!!」だったと思う。

 主治医とかが「手術成功しましたよ!!」ってわざわざ言ってくださっているの

に、それよりも「めまいしているんですけどっ!!」・・・・・。

 

 手術前から、めまい体質だったので、心配だったんですよね~。

 でも、人工内耳の手術を受けた人がかならずめまいを起こすわけではないし、起き

たとしても一時的なものだから何も心配はいらないと手術前の説明でも言われていた

けど、もう思いっきりめまい起こしているのにショック受けてたんだわ。

 

 主治医とかとの毎日の会話が、

 「あ~めまい起こしていますか。大丈夫です。2日ほどで治まりますから・・」

 「え?まだめまい治まりませんか?う~~ん・・退院するまでには治りますよ」

 こんな感じ。人工内耳の手術で入院したんだけど、めまいが主因で入院しているよ

うな会話。アタシ、何で入院しているんだっけ?

 

 ついに退院の日まで治らんかった。というか、めまい起こしてても退院させてくれ

るんや。(めまい主因で入院したわけじゃないんだってば) 

 「今日退院ですが・・めまいは・・治まりませんでしたか。でも、大丈夫です。s

nowさんはまだ若いほうなので、1か月したら治まります。60~70代くらいでめ

まい起こしたら大変なんですよねえ。治るのに3か月とかかかるんですが。」

 あ、若いっていってもらえた。比較的若いって。(アラフォーやけどな)

 そうかあ、1か月かかるのかあ。でも、若いから大丈夫よね。すぐに治るわよね。

若いから。3か月もめまいなんてしんどいだろうなあ。でも私は若いから大丈夫よ

ね。(何回若いって言ったら気がすむねん)

 

 でも、退院して1か月後の通院時に、ワタクシ言っているわけである

 「まだめまい治りません・・・。さっぱりよくなりません・・・。しくしく・・」

 困惑顔で担当医、

 「そうですか・・・もうちょっとかかるかもしれないですね。でも若いほうだから

あとちょっとですよ。60代以上だったら3か月かかるかもしれませんが・・。」

 

 そいでもって、退院して6か月後の通院時に、ワタクシ言っているわけである。

 「あのお・・もう6か月たちますけど、まだめまい残っているんですけど・・」

 ああ、またかみたいな顔で担当医、

 「そうですか、めまいまだ治まりませんか。・・・・・・ほかに変わったことあり

ますか?」  

 

 ああ、アタシ、若くなかったんだ。多分90代くらいの体力なんだ。

 日頃から運動していないしな。

 結局めまいは、だんだん良くなりつつも1年近く続いたわけである。

 人工内耳の術後1か月目くらいまでが一番しんどいめまいで、歩くのも誰かに支え

てもらわないといけない状態だった。

 3か月目くらいまでは、電車のホームから落ちそうなかんじで、やっぱり誰かと一

緒ではないと電車に乗ることができなかった。

 5か月目くらいで、やっと日常生活の中で「ああ、そういえばちょっとめまい起き

ているな」っていうかんじでめまいのことを忘れている時間も増えてきたくらい。

 7か月目で、ひとりで電車に乗れるようになって、病院帰りにちょっとショッピン

グ楽しもうかなって余裕が生まれたころ。

 

 めまい起こしてうれしかったことが一つ。

 食欲がおそろしく減退して、その結果痩せたこと。

 めまいしている間って、ちょっと乗り物酔いとか起こしているような感じなのでね

え。あんまり食べたいっていう食欲がわかなかったのである。

 セールで50パーセントオフだったので、ちょっとキツイかな?パツパツかな?で

もいつか痩せたら着ようと思って大昔に買った、ラベンハムのコートも着ることがで

きた。あの時はうれしかったなあ・・・。高かったからな。ラベンハム。

 そんなに高いもん買うのなら、値引きなしでちゃんと着られるサイズ買えよ。

ラベンハム(LAVENHAM)

 

 で、術後1年半近くの今。

 やっとこめまいは忘れ去られた存在となった。(疲れたりしたら出るけど)

 そして気づくのである。

 ごはん美味しい。

 お腹すいた。

 ああ、食べられるって、ごはんが美味しいって思えるのってなんて幸せ。

 お腹すいたって思えるのって幸せ。

 

 今年の冬は、ラベンハム再びタンスの肥やしである。

 パツパツなんてレベルじゃない。着たら破れちゃう。

 また痩せたら着よう。いつになるのか。

 ほんまにあんな高いもの買うのなら、定価でちゃんと着られるサイズ買えよ。

 アタシのサイズはMかも~とか見栄張るなよ。

 

 でもまあ、めまいでワチャワチャしていたおかげで、「ぼぼぼぼ」の世界も、ショ

ック受ける以前の問題になっていたのかもしれない。

 「ちょっと、その件は横に置いといて、それよりもこのめまいどうにかしないと、

日常生活に支障が出る!!」っと、あんまり真剣に向き合わずに済んだのかもしれな

い。音がわかるようになってひたすら嬉しい脳みそは、そんなsnowにお構いなし

に着々と音を覚えていくわけだけれども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先天性難聴者の成人後の人工内耳

 人工内耳の手術後、6日目くらいに音入れ(初めて音を入れること)。

 

 その時は、すべての音が「ぼ」の一音のみだった。

 ハイヒールがカツカツいう音も「ぼぼぼぼぼ」

 電車の音も「ぼぼぼぼぼ」

 人の声も「ぼぼぼぼぼぼ」

 自分の声も「ぼぼぼぼぼ」

 水が流れる音も「ぼぼぼぼぼ」

 それぞれ少しずつ質が違うということもない。すべて同じ音質の「ぼ」

 何か音がしたら、それはすべて「ぼ」という音質で聞こえるというよりも「感じ

る」

 ああ、何かわからないけど、今音がしたのだなと。

  

 やってもたかな~~・・・なんて正直思っていた。

 そら、先天性難聴で、11歳くらいでほぼ失聴して、それから27年間全く音のな

い世界やったもんなあ。でも、音入れした瞬間に「ああ、聞こえる!!聞こえる

わ!!ハイジ!!(なんでやねん)」「クララ~~~!!(誰やねん)」みたいな感

動ちょっとあるかと期待していたんですよ。

 まさか「ぼ」の世界だったとは。

 で、人工内耳が合わなかったら、やっぱり補聴器に戻りますっていうのはできない

んですよ。電極を三半規管に埋め込むので、内耳の機能は完全に失われてしまうこと

になるわけで。人工内耳の体内装置を取り出したら、また再び前と同じように補聴器

を使えるようになるわけではないんですね。

 人工内耳を入れた方は左耳で、唯一補聴器ができる方の耳だったんですね。

 右耳は、2歳半で難聴がわかった時には着けていたようなのですが、合わなかった

みたいで。すっごい低重音で響くんです。

 左だけ補聴器装着だったんですが、やっぱり片耳で聞き続けるのは負担が重いの

で、何度か右耳も補聴器に挑戦したことはあるのですが、着けて5分もしたら頭痛

してくるんですわ。明瞭度なんてゼロで低重音で響くだけの音しか聞こえず。

 なので、後がない状態だったんですね。左耳を人工内耳に選んだのは。

 失敗したら、もう完全に音のない世界で。

 どうして左耳を選んだのかはまた書きます。

 

 でも、この聞こえる「ぼ」は低重音とか響くとかそういう不快さはなかったんで

す。とってもきれいな「ぼ」っていうことはないけれども、5時間6時間聞き続けて

も頭が痛くなるとか疲れるということもなくて。

 退院してしばらくは、自宅療養していたので、家の中の音って種類も少ないし、し

ょっちゅう音がし続けているということもなくて。

 なので、音入れ後はだいたい朝10時くらいから夜8時くらいまではずっと装着し

ていたように思う。

 

 で、すごいんです。

 だんだん「ぼ」が変わっていくんです。

 音がしたときに、何の音か知るのはすごい大事。ほんっとにこれは大事。

 目で見て、音がしたものを見るんです。

 電子レンジだとします。「ぼぼぼぼぼ」って聞こえます。

 この時に、必ず誰かに聞くんです。

 「電子レンジってどんな音がするんだっけ?」

 「『ピーッピーッ ピピピピ』ってな感じかな。結構高めの音やね」

 で、イメージします。こんな感じなんやろうなあと。

 「今『ピーッ』の部分」

 そうすると「ぼーーーっ」って感じに変わるんです。

 「あ、今!今『ピピピ』に変わった。ほらほら」

 あ、ここか「ぼぼぼぼ」

 そうすると、電子レンジの音は「ぼぼぼぼぼ」から「ぼーーっぼぼぼぼ」に変わっ

て、電子レンジを見なくても「その音のパターン」から電子レンジだってわかるよう

になるんです。慣れてくると電子レンジの音っぽく聞こえるようになってくるんで

す。そうするとすべて「ぼぼぼぼ」の世界から、電子レンジの音は電子レンジとして

独立して別の世界の「ぼ」になるんです。

 

 なんていうのか、心理学とかでよくある「壺」と「横顔が向かい合っている図」み

たいなかんじ?よけいわからんわ。ルビンの壺って言うらしい。

 

 

 壺の絵だと思っていたけど、向かい合った横顔って知ってしまうと、そうとしか見

えなくなるっというやつ。

 こっちのほうが近いかな?グレコリーのダルメシアン犬。

 

  一旦この絵の中に、ダルメシアンが描かれてあるのがわかると、もう「ダルメシア

ンが描かれてある絵」にしか見えないという。

 これと同じように、この音が電子レンジの音だと「知る」と電子レンジの音にしか

聞こえなくなるんです。知る前の「ぼぼぼ」とは違う音なんです。

 

 人工内耳は「耳で聞く」のではなくて、「脳で聴く」のだなあと思う。

 

 中途失聴で音を知っている人が人工内耳をする場合は「過去に聞いた音」と「人工

内耳で新たに聞こえる音」を結び合わせていく作業をしていく中で音を取り戻してい

くのだろうと思う。

 

 先天性の聴覚障害児で、言語獲得前の幼児であれば、新たに人工内耳で聴こえてく

る音を言語として「獲得」していくのだろうと思う。

 

 そうであるのなら、言葉を「音声」として知らない先天性難聴者が、言語獲得可能

な時期もとっくに過ぎてしまった成人後に、人工内耳をする場合・・どうなるのか。

 ちょっとずつ綴っていきたいと思う。

 

 でも、意外な音を覚えていたりもするんです。

 爪切る音。

 なんでこんな音を覚えていたのか・・というより聞こえたことあったのか?私?

退院後初めて爪切った時に、あ~~~これこれ、爪切る音だわってわかったんです

わ。「ボーッチッツ・ン」みたいな。

 ちょっと固いものが、ギュウーって圧縮されてプッっと切れるみたいな。

 補聴器で一番聞こえている時代でも、車が後ろに来る音はわからなかったけ

ど・・・多分・・爪切る音は波長が合っていたんでしょうね~。聞こえたんでしょう

ねえ。大きい音は聞こえないのに、それより高い音である特定の種類の音は小さくて

も聞こえていたりするんですよねえ。

 でもさあ

  でもさあ・・

 

 爪切る音なんてわかっても、日常生活何の役にも立たないんだよねえ。

 

  でさあ

   でさあ・・・

 

 アタシの脳みそ、もうちょっと違う音憶えてや~~~・・・。

 母の声とかさあ・・・。

 

   そしたら

    そしたら・・・

 

 「お母さんの声がわかる!!ハイジ~~~!!」「良かったねえ!クララ~~!」

みたいな感動あったかもしれないのに。

 

 さすが、このおっぱっぴーなsnowを作り上げただけあるわ。この脳みそ。

 脳みそがおっぱっぴーだったんだねぇ・・・。

 なるほどねえ・・・。

 

 因みに、覚えていた音は今のところ「爪切る音」と「ピアノの音」だけでした。