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淋しいのはアンタだけじゃない

 『淋しいのはアンタだけじゃない』

 

 という漫画が出ていますね。

 

 こらまたすごい。

 作者の山本浩二さんが、

 「好奇心と欲に目がくらんで・・・

    この時の僕らは知るよしもなかった・・・

  これからどんどん

  どんどん、

  迷い込んでいくことを・・・・・」

 

 と書いていますが、ほんっとに、

 この世界を描くのかあ・・・と・・・。

 

 牡蠣が大っ嫌いな人に牡蠣が如何に美味しいのかを伝える様なもんだよね。

 

 ただ、うまく言えるかどうかわからないけど・・・

 この話にちょくちょく出てくる、Sさん。

 なんか

 なんか、

 なんかね、

 わっかるわーーーーーー

 なんです。

 

 50dBで、語音聴力検査で明瞭度が右70%

 有毛細胞が動いているか確認するDPOAEが反応良好

 

 けど「なにも音が聴こえない」と。

 

 専門家の99%が「静かな部屋だったら、聞こえづらいことはあっても、なんとか

会話はできるレベルだと判断する」(これって補聴器なしで??)らしいけど、

 「なにも音が聴こえない」

 

 snowも、人工内耳をする前は、

 100dBスケールアウトで、語音聴力検査で明瞭度が15%(だっけ?)でしたが

 「補聴器をすれば会話がわかる程度には聴こえている」と思っていましたもん。

 

 医者に「全く聞こえていません。聴こえているような気がするだけです。聴力検査の

結果では、たとえ補聴器をしても会話が理解できるほどの聴力は残っていません。」

 

 って言われて、初めて、ほんっとに初めて

 地下鉄が静寂の世界なのも

 救急車のサイレンが無音なのも

 気づきましたもん。

 

 それに気づくのに10年以上はかかっていたと思う。

 つまり、10年間全く気付かなかった。

 自分の聴力が失われていることに。(ある意味めっちゃおめでたいな)

 

 多分、聴力って結局は感覚なのだと思う。

 

 だから、Sさんが

 「全く聴こえていない」と感じるのなら、それは事実だろうなと思う。

 

 ただ、本人が「全く聴こえていない」と感じることと、脳が「音(信号)を

言葉・音声として理解する」ことは全く別物だと思う。

 

 漫画の中で「聞こえない人の聞こえ方(音のゆがみ方)」を再現しようとして

出来なかった、というお話もあるのですが、これもそうやろな~と思う。

 

 たとえば、「おはよう」が「おあえあおう」とゆがんで聴こえるとする。

 この「おあえあおう」は「おはよう」なのだと脳がいったん認識すると

「おあえあおう」は「おはよう」としか聞こえなくなってくると思う。

 よくTVで、家のペット(猫とか犬)とかは「ごはん」としゃべる、というのがある

けど、あれなんかその典型ですよね。

 「ごあん」くらいは言っているかもしれない。画面に犬だけが出てきて「ごあん」

と吠えても「ごあん」にしか聞こえないけど、そこに、器に入ったドックフードと

それを与えようとしている飼い主と、すごくご飯がほしそうな顔をしている犬が出てき

て、「ご飯」っていう字幕が出ると「ご飯」って言っているようにしか聞こえないんで

すよね。

 健聴であるということは、こういう補完機能が正常に働いているという事だと思う。

 

 多分・・・・・多分なのですが、これはわからないのですが(じゃ書くなよ)

 ヒトは、自分が聴こえているように「話す」のだと思う。

 自分の発音、発声は、「聴いた声」を真似しようとしているのだと思う。

 

 だから私も含めて、聴覚障碍者の声にクセがあるということは、「そのように聴こえ

ている」のだと思う。

 それが音のゆがみの度合いに比例していくと思う。

 訓練とかで、実際の聞こえとは違う面もあるかもしれないけど。

 

 健聴者は、聴覚障碍者の声のクセに慣れると、ちゃんと言語として理解できるとい

う。これは「健聴」だという事ですよね。

 逆に、聴覚障碍者は「おはよう」がずっと「おあえあおう」とゆがんで聴こえるから

「おはよう」が聞き取れないという事ですよね。

 「おあえあおう」がずっと「おあえあおう」のままで「おはよう」となることがない

ということですよね。

 もちろん100人いれば100通りの「おはよう」があるわけで、「おあえあおう」

もあるわけで。

 健聴は100通りの「おはよう」がひとつの「おはよう」として認識できるんですよ

ね。ストライクゾーンが広いというか。

 もちろん、もっと重度になってくると「おはよう」が「ぁ・・ぁ・・」位にしか聞こ

えないので、こうなってくるともう理解はできないと思う。

 

 Sさんは、もともと鋭い聴覚をお持ちだったんだろうなあと思う。

 なので、聴力が失われてから聞く歪んだ音は「音声・言語」として認められないと

脳が受け入れることを拒否しているのかもしれへんねえ。なんか聞こえているっぽいけ

どわからないから耳鳴りのカテゴリーに入れちゃえ、みたいな。

 

 

 なんて書いて、本当にはどうなん?と自問して・・・

 

 snowも見事に迷い込みました。