寒い・・・・「自分の声」について。

すっかり明けました。

毎日寒いですね・・。

寒いと肩凝るんですよねえ。

英語に「肩こり」という単語はないんだとか。

じゃあ、アメリカ人とか肩凝らないわけ?・・うらやましい。

「言葉が世界を作る」ってありますよね。そこにある花が美しいのではなくて、私たち

が「美しい」という言葉を持っているから、初めて花を「美しい」と感じることができ

るとか。

 

じゃあ、もしsnowが「肩こり」という言葉を知らなかったら、肩こらなかったんだ

ろうか?

 

それくらい言葉って大事ですよね。いや、肩こりは知らなかった方が幸せだった。

 

で、人工内耳を始めてからの「自分の声」について書きます。

はい、グイグイと攻めます。

 

先天性の難聴者にとって、聴くことも大変ですが、話すことも大変なこと。

基本的に自分の声ってどんなのかわからないですもんね~。

snowも自分の声はあまり知りません。

小学校5年くらいまではちょっと聞こえていたので、なんとなく自分の声はこういうの

だな・・っていうイメージはあったかもしれない。

 

で、小学校5年でほぼ失聴してから、自分の声って意識したことないんですよ。

今は周りが静かだから、小さい声でしゃべろうとかそういうのも全然なくて。

声を出してしゃべっているという感覚も、今思えばそんなになかったかも・・。

あ、どもったなとか詰まったなとか「さ」が「ちゃ」って言ってもたなとかそういう感

覚ほとんどなくて。ただ、だ~~~~っと喋っていただけだったかもしれない。

自分の声があってはじめて相手の反応があるのではなくて、相手の反応のみで会話を

成立させていたというか。

 

で、人工内耳の手術前、言語聴覚士さんに、術後に自分の声はどうなるか?って聞い

たことがあるんです。その時は、声の質まではわからないから発音は基本的には変わら

ないと言われていたんです。

 

けど、自分の声って、当たり前ですが一番よく聞こえるんです。

音が最も近いし、自分が発生した声は骨とかを伝わっても聴こえるんですよね。

 

人工内耳を始めてから、半年くらいで自分の声が分かるようになってきたと思う。

自分の声を久しぶりに聞いた感想は、「うげ、おばちゃんの声なっとう・・・」でし

た。なんというか小学校5年の私はもう少し甲高い声だった。

なんか、低い。

 

って、なんかほんとに大げさでもなくて小学校5年の10歳からいきなりアラフオーまで

の記憶がぶっ飛んでたような感覚ですわよ。えええ。

 

で、人工内耳を始めてから1年半後くらいに、「喋りづらくなる」っていう事態に陥る

ことになるのよね。もともと人工内耳はマップが4種類あるんです。これは毎回病

院でするマッピングという音の調整によってマップを設定するのですが、この頃っ

て単純に1~4までボリューム(マップ)を上げていっている段階で、1から少しずつ

音が大きくなって4までいっていたんです。

こうやって少しずつ大きな音に慣れていっていたのですが、最大音量の4になると1が

すごく小さく感じるんです。

そうすると、自分の声の聞こえ方がズレてくるんです。

あれ?あれ?こんな小さい声で喋っているつもりはないのに、聞こえてくる声が小さい

っていう違和感で、なんかうまく喋られなくなるんです。

 

うわあ、喋るのって難しい!!って初めて思いましたわ。

何でこんなに声が小さい?って無理に大きく喋ろうとするとどもったり詰まったりして

しまうんですよね。昔と違って、どもったり詰まったりしてしまう自分の声も聞き取れ

てしまうんです。それで焦って余計にしゃべりにくくなる悪循環で。

そうこうしているうちにホントに喋られなくなってきそうになりましたわ。

 

ボリュームを常に4にしておけばいいのですが、4だとうるさいっていう場面のときも

あったんですね、で1にすると喋りにくい、4に戻すと急に大きくなってまだ違和感が残

る・・という。

 

これは、簡単に解決しました。

マッピングで喋りにくくなるマップを消してしまえばいいんですね。

そうすると確かにしゃべりづらさは不思議なくらい消えました。

ただ、今入っているマップが将来また喋りづらくなる可能性はあるかも。

 

でも、人工内耳で聴こえるようになったとはいえ、自分の発音を直すのは難しいです

ね。人工内耳を初めて3年近くたった今では、自分の発音が周りとは「違う」のはなん

となくわかる。

低い声高い声、ぼそぼそとした声、こもった声、はっきりした声、ちょっと濁った声、

透明感のある声、いろいろな声があるけれども、私の声はそれらとは違った明らかに

異質な声なんです。

それは人工内耳のおかげでよくわかる。

例えばお店で「エビバーガーください」と自分が言ったあと、店員さんが「エビバーガ

ーでよろしいですか?」と聞き返したとき、自分の「エビバーガー」と店員さんの「エ

ビバーガー」が違うのがよくわかる。どう違うのかを説明するのはできない。それを

説明できれば、きっと私は店員さんの「エビバーガー」の発音を真似ることができると

思う。発音を真似ることができれば、おそらく異質な声は正常な声に近づくかもしれな

い。

ただ、どう発音すれば、どう今の声を変えればその正常な声に近づくのかは、おそらく

理解はできない。

それがおそらくは先天性難聴で、成年後に人工内耳を始めた人の「越えられない壁」な

んだろうな・・・と思う。

越えられない壁だけれども、それは受容していかねばならないと思う。

そうしなければしゃべることができなくなるから。

 

ただ、10年くらい前に会った人と久しぶりに再会しておしゃべりした時、何かのときに

人工内耳のスイッチを切ったまま発声した時、「あ、懐かしい。」って言われたんで

す。「そうそうsnowと10年くらい前に会った時、そういう声だったわ。」と。

なんか声が変わっているなあって思っていたと。それが人工内耳のスイッチを入れない

状態の声が昔の声だったと。

身近な人だと、私を呼びかけた時の「何ー?」っていう声を聞いただけで、今私が人工

内耳をしているかどうかわかるらしい。

「あ、今人工内耳してへんやろ!」ってすぐ言われますわ。

・・・ということは、人工内耳をしている時としていないときでまた声が違うというこ

と?…っと聞いたらそうらしい。

人工内耳をしていないときの声は「固くて」、している時の声は「やわらかい」という

違いがあるらしい。

snow自身は、人工内耳をしている時も外している時も全く同じようにしゃべってい

るのやけどもね。

 

でも、ある程度は人工内耳で発音は変わるかもしれない。

逆にしゃべりづらくなるかもしれない。

そういうこともすべて含めての人工内耳なんだなあと思う。