alongsnowの日記

ペンドレット症候群により、先天性難聴。今は人工内耳ライフです。

8月の蝉

8月になりました。

蝉よ蝉。

あんな大音量とは。

 

人工内耳する前の蝉のイメージは・・

 

ミ~~ン

                   ミ~~ン

   ミ~ン  ・・ミ~~ン

 

こんな感じだったんじゃなかろうか。風鈴的な。

 

今の人工内耳後4回目の夏は、

ジゴジゴジゴジゴジゴジジジジ・・

ジジジジジジ・・ミミミミミジゴゴゴゴジジジジ~ジ~ジ

ミミミミミミミミミミミジゴゴゴゴ~~

ってな感じ。

よおこの煩い中、仕事だとか家事だとか勉強だとか出来るわね。信じられないわ。

集中できない。

 

けど、なんか気が付いたら忘れているんだよね。

あれ?蝉の音いつ止んだんだろ?って・・。

煩くて集中できない!蝉の音しかアタマに入らん!!って思っていても、いつの間にか

別のことに集中して、蝉の音が気ににならなくなるんだよねえ。

え?蝉の音止んだ?って聞いてみると、

ジゴジゴジゴジゴジゴジジジジ・・
ジジジジジジ・・ミミミミミジゴゴゴゴジジジジ~ジ~ジ

ミミミミミミミミミミミジゴゴゴゴ~~

あ、止んでない。やっぱりうるさい・・・。

 

なんかこの感じ、ちょっと耳鳴りに似ている。

気にになるとドンドン音が大きくなるんよね。でも忘れるとフッと音が小さくなる。

 

でも、この蝉の音を聴くたびに実感。

あ~人工内耳したんだな。だから蝉の音ってこんなに大きいんだって。

 

で、庭師さんのこの言葉

「チェーンソーで枝を刈っていたらナ、蝉がワシにとまりよるねん。

・・・・仲間やと思われているんやな。」

と、いう話にもめっちゃウケることができるのでした。

「うわぁ、モテモテですねえ~~~~」なんて返せたり。

「相手蝉や!!」って突っ込まれたけど。

 

 

 

 

人工内耳リハビリ!??エ〇ァンゲリオンと共に音楽を。

梅雨ですねえ。

蒸し暑いですねえ。

 

さて、二十数年来の友人にこのブログの事話したんですよ。

そしたら、このブログの題名の「along snow」の意味を調べてくれて。

 

この雪掻きの商品名らしい。

よお見つけたな。友人。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

snow、掻かれてしまうやんけ。

 

どうも、雪掻き日記です。

昨日は50センチの雪が積もりました。このalong snowで掻いてみました。

なんということでしょう!

とてもサクサクと雪掻きができるではありませんか!

 

ごめんなさい。雪掻きしたことありません・・・・。

 

え~今日はリハビリ日記。

リハビリっていってもsnow自身はな~~んもしていません。

こればかりは、脳みそに頑張ってもらわんと。

人工内耳って脳みそが覚えるか覚えないかなので、snowが頑張ってもどうしようもない

んだよねえ。よく体に覚えこませるとか手で覚えるとかいうけど、それと同じ。

今「勉強しなさい」って言われたよってsnowが意識してても、脳みそが「はぁ?今やる

気ないねん」って思っていたら、どんなに頑張ってもそれが聞き取れません。逆にお

腹すいてたら「おやつ食べる?」がいとも簡単に聞き取れたり。そんなもんです。

 

snowは今でも半年くらいに1回の割合で病院にマッピングに行きます。

このマッピングも人それぞれで、頻度もそれぞれらしいのですが、snowは半年に1回

位のペースで行って、だいたい4つのマップ(聞こえ)のうち2つくらいは入れ替えてい

ます。4つマップがあると、一番小さい音のマップがしゃべりづらくなるんです

 で、コクレア Nucleus5のプログラムに「フォーカス」「ミュージック」「ノイズ」

「エブリディ」と4つあって、今まではずっと、日常生活における一般的な環境用の

「エブリディ」のみを使っていたんです。

前回で、STさんが、いっぺんほかのプログラム入れてみよかあ~って。

で、「ミュージック」入れてもらったんです。あともう一個入れてもらったけど何だっ

たか忘れたわ。ごめんなさい。

 

この「ミュージック」、名前のとおり音楽を聴くためのプログラムなのですが、第一印

象は、雑音めっちゃ聴こえる!でした。今までの「エブリディ」って会話に特化したプ

ログラムだったんですね。なので雑音はカットしていたのですが、この「ミュージッ

ク」は雑音も聴こえるんです。

 

で、当然聞きましたよ。音楽。

そのためのプログラムじゃないですかあ!ということで。

補聴器と人工内耳の大きな違いは「音楽」だとよく言われています。

人工内耳は、もともと会話に特化しているので、音楽鑑賞は最も苦手かもしれません。

なんというか、音楽のいいところをすべて省略してしまっているとでもいうのでしょう

か。

補聴器で聞く音楽は、楽器音が「邪魔」で、肝心の歌が全く聞こえないんです。

理想は、最小限のピアノの音のみで、ゆったりしたテンポの歌声のみが聴こえるの。

合唱でもグループでもなく、一人で歌うバラードのような。それでやっと、ああ、

ちょっと音楽鑑賞できてる私?みたいなかんじでした。

人工内耳はまるでダメでしたね~。どんなバラードでも歌声すらさっぱりわからん。

聞いてて楽しいっていうレベルじゃないわ。と・・・。

 

で、「ミュージック」で聞きました。youtube

んはあああああ!!なるほど!雑音!いらない音!こういうことだったんだ!

雑音でいらない音ってこういう意味だったんだ!

音楽って、雑音だいらない音だ・・・と思っていたもので構成されているんだ!

雑音と思っていたものでリズムが生まれて、ハーモニーが生まれて、その集合体が

メロディなんだ!

その雑音が欠けると、単調というか音楽のいいところがすべてそぎ落とされたような音

になるんですねえ。

で、聞く音楽はやはり、完全失聴する前の小学校5年以前に聞いたことがある曲のほう

が「よくわかる」気がするんですねえ。

 

まず、youtubeの「今日の日はさようなら~エヴァンゲリオン:碇【歌詞】」

 

動画ごと埋めちゃいたいけど、著作権とかあるんですよね。多分・・。

 

アタシねえ、アタシ、これで初めて「序奏」がなんなのか分かった気がします。

この動画は、アニメの一画面のみなのですが、歌詞が出てくるんです。

歌詞を頼りに、今どこを歌っているか予想をつけるんですね。なのyoutubeが一番いい

と思う。で、youtubeの中でも、歌手が歌っているようなので、歌詞字幕と口形を見

て、どこを歌っているんやろうかあ~って見当つけながら見て聴くんです。

今までの音楽の楽しみ方って、「あ、今この歌詞歌っている!」ってわかるところで

す。ほぼクイズ番組。その分かったのが嬉しいっていう楽しみ方。

 

でも「ミュージック」で「今日の日はさようなら~エヴァンゲリオン:碇【歌詞】」

聞いたとき、もう衝撃でした。

わかる!わかる!今序奏なんだ!これが序奏っていうやつなんだ!

たえる~ことなく~って今歌った!ハッキリわかる!

 

もう、おおおおおおおおおおお・・・・!の世界ですよ。

リズムっていうのがわかる!メロディもかろうじてわかる!

 

次が、youtube「【EVA 碇ver】 翼をください

こちらは歌詞字幕なし。なので上級編。

これも、歌詞を覚えているから、今がどこっていうのがわかるんですね。わかるのは

自分の中ではすごいこと。

 

なんか楽し~~~!楽しい!って、次のマッピングまで時々youtubeで音楽を聴いたり

していました。

そんなsnowにもう一つのある変化が起きていたのですが、ボケ~っとしていたsnowは

全然気づかないまま、次回のマッピングの時を迎えるのでした。

 

次回のマッピングでSTさんが言うんです。

どうですかあ?音楽聞いていますかあ?って。

 

何で音楽聞いているってわかるんですかい?ってびっくりしましたよ・・。たまたま話

題として振っただけらしいです。

 

続けて、STさんがおっしゃいました。

今、人工内耳と音楽の関係性の研究が進められていて、音楽聞いているともう一つの

効果があることがわかってきたんです。音楽聞いていると普段の会話も聞き取れるよう

になったという事例があることがわかって・・・・。

 

あああああ!それだ!!そうなんだ!!って、snowと脳みそ同時に「理解した」ような

感覚。アタシ、会話が前より分かるようになっている!!

音楽を「聴く」のってすごい難しいんです。音の種類も多様だし、楽器音と人の声を

同時に聞きながら、人の音を聴き分ける必要があるし。色んな雑音を組み上げて、リズ

ムにしメロディにしていく必要があるし。

それに比べて会話って、ある意味シンプルなんです。

難しい計算問題をした後で、それよりも若干簡単な問題を解くと、すごく簡単に思える

そういう感覚。その問題を解いたときは凄く難しかったように思っていたのに、それ

よりさらに難しい問題を解いた後だと、何でこれが難しいと思ったんだろうって思って

しまうような。

もちろん、会話ももっと領域を広げていけば、もっと難しいと思う。声の中の感情を

聞き分けていく必要もあるし、声質もあるし。

 

けど、音楽を聴くのはいいかもしれない。

この時の一語のみの聞き取りテスト、8割でした。初めての8割。

 

で、最後もう一曲。

「合唱曲「流浪の民」 横田めぐみさんの歌声 ソプラノソロ 歌詞字幕付き」

 

この曲は補聴器時代にも、明日人工内耳の手術をするという日も、最後に聴いとこう

とずっと聞いていたもので、最後に補聴器で聴いた音楽になります。

このソプラノだけは、今どこを歌っているんだろうとかそういうこと全く考えずに

ただただ美しいと初めて思えた歌声でした。

 

願わくば、youtubeではなく、ご本人が歌うのを直接聞いてみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工内耳の装着、右か左か?

何か急に暑くなりましたね。

まだ5月やろ。

5月っていうとさわやかな季節のはず。何でこんなに暑いんだろ?

8月になったらどんだけ暑いんだろ。

 

こないだ講義形式の研修会行きました。

研修担当者に聴覚障害があるので・・・と伝えたところ、一番前でした・・・。

おおぅ、一番前・・・・。

昔のsnowだったら、一番前でもあんまり意味ないんですわ。

聴こえないから。

あ~寝られへん・・・位の感想しかなかったのですが、今回はちょっとどうだろう?

ちょっとは講師の話わかるだろうか??とドキドキしました。

結果・・・多分2割くらい。とっても話し方がわかりやすい講師さんでした。

脇道にそれないし、「え~」とか言わないし。テキストと合わせた話だったし。

講演が始まる前に、講師さんから声かけていただいたんです。ちょっとだけ手話

覚えたことあります。って。

凄い嬉しいことですよね。で、すごく気遣ってくださっていたと思う。

今テキストのここを話しています、ってテキストを掲げながら話してくださったので、

それを頼りに何を話しているんだろうって予想できたので。

なので、聞き取れたのは2割程度ですが、テキストと身振りと、お隣でノートを見せて

いただいたのと合わせたら8割くらいは理解できたかなあと。

すっごいことですよね。前はもうさっぱりわかりませんでしたもん。お隣の方がノート

見せてくださるか要約筆記してもらうのだけが頼りでしたもん。

 

本題から外れました。

人工内耳の手術をすることが決まって、次に決めるのが右か左のどちらに入れるかで

した。

snowはずっと左のみ補聴器装着でした。

右は補聴器付けても何を言っているかがわからないし、すごい低重音で響くので不快感

しか残らないんです。なのでずっと補聴器付けたこともなかったし「役に立っていない

耳」だったので、人工内耳で効果がなかったら補聴器に戻るということができないので

あれば、右なら諦めがつく、ダメでも補聴器が使える左が残っている。今より状況が

マイナスになることは絶対にない。右に装着したい。

でも、主治医の意見は補聴器装着の「役に立っている耳」の方でした。

ううううう~~~~~ん・・・・。

もう悩みましたね。

なんで左?と主治医に聞いたところ、「ずっと左耳で聞いているから、右脳しか音声を

認識しないから」、って返事が返ってきました。

もう、

??????????????????????????????????????

ですわよ。え、左耳ってどっち?右脳って何?ですわ。

思わずお茶碗持つ手ってどっちだっけ?とか確認しそうになりましたね。

アレですって。脳梗塞

左脳が梗塞を起こすと、後遺症として体の右側に麻痺が残る。

右側が梗塞を起こすと、後遺症として体の左側に麻痺が残る。

 

これと一緒で左耳で聞いた音声は右脳が処理する。

      右耳で聞いた音声は左脳が処理する。

 

耳は左右二つあるけど、脳みそは一つだからどちらで聞いた音も、脳みその同じ部分

で処理しているのかと思っておりました。違うのか。

脳みそって二つなんだ。二つで一つじゃないんだ。

そうするとsnowの右脳はかろうじて動いているけど、左脳は開店休業状態?

開店休業状態が長いから、今更客(音)が入っても何もできないってこと?

 

・・・・・・・・・そういうことらしい。

 

今からイチから音と言語を覚えるのは大変ですよと。

「あ」はこういう音だと一応分かっているのは右脳だけだと。左脳に「あ」という音を

入れても認識できないということらしい。

 

ま~~これ衝撃でしたね。

30数年間生きてて、全く知らんかったわと。

自分の体のことなのに知らないこといっぱいあるんですねえ。

 

けど、左に入れると補聴器使えなくなるし、それは勿体ない・・・・。

 

っていうsnowの迷いには主治医、バッサリと答えるのでした。

「あなたの左耳、あんまりというかほとんど音は聴こえていません。ちゃんと

聴力検査でもそう出ています。聴こえているような気がするのは気のせいです」

 

ほんっとに聴こえてなかったんだと気づいたのは術後でした。

聴こえていないのに聴こえていたような気がしたカラクリも術後に分かるのでした。

すごいぞう脳みそ。

で、左に入れて良かったなと今は思います。

左に入れていなければ、講義形式の研修会なんてさっぱりわからなかったと思う。

 

でも術前はほんっとに悩みましたねえ。

手術直前の剃髪まで悩んでましたもん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本・大分大震災と聴覚障害者

 熊本と大分で大震災がありました・・・。

 亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、現地の方々が少しでも早く落ち着かれます

ように・・・。余震が早くおさまりますように。

 

 14日の震度7地震が「前震」だったとのこと。なんということでしょう・・。

 

 snowも阪神体震災の経験者です。幸い被害が少ない地域だったのですが、それで

も本当に大変でした。甚大な災害は社会的弱者を生み出します。

 当時寝ていたsnowは「何が起きたのか」全く分かりませんでした。

 「地震が起きた」ということさえも分かりませんでした。

 

 周りの人は地鳴りの音で地震だとすぐわかったそうです。ですが、snowのような

聴覚障害者にはその地鳴りの音さえも聴こえないし、地震によって物が落ちる音も全く

わからないので、起きて初めて周りの状況を見て呆然としてしまうのです。

 多分家族がたたき起こしてくれなかったら、地震が来たことさえもわからず、「あ、

なんかめまいしたような気がする・・・」くらいでそのまま寝てたかもしれません。

 家具が倒れる音や食器類などが床に落ちて割れる音なんかもわからないんです。

 補聴器とかをつけていなければ、ほんっとに静寂の世界なので・・・。

 

 で、大変なのがその後です。

 阪神体震災当時は外部との連絡手段はFAXだけで、今のようにTVに字幕も入らな

いし、本当に情報が入らない状況でした。

 

 それと比べたら、今はTVに字幕はリアルタイムで入りますし、携帯電話という

手段もあるのですが・・・・それでも大変だと思います。

 携帯電話も電源が切れてしまえば何にもなりません。

 TVの字幕も、もし避難所にいる場合はどうでしょうか?

 避難所にはTVがあるかもしれません。

 初めから字幕表示だったらいいのですが、字幕が表示されていなかったら全く

情報が入らないことになります。

 どうかすべての避難所で字幕表示になってほしいと思います。

 そこに聴覚障害者がいるかどうかに関係なく、字幕表示が当たり前となって

ほしいです。

 おそらくは健聴者であっても、字幕表示は役に立つときもあると思います。

 字幕を入力してくださっている方も、生放送で長時間にわたってリアルタイムで

字幕を入力していかないといけないので大変だろうと思いますが、聴覚障害者にとっ

ては命綱となりますので、どうか続けてほしいと思います。

 

 あと、閉じ込めも多数あるようですが、これも聴覚障害者にとっては救助の声

が聴こえないので、助けに来てくれたことがわからないということもあるんです。

 救助者の呼びかけに声で反応することができたら、生存者と確認してもらえて

救助活動が始まりますが、無反応であれば不在、あるいは亡くなったものとみな

されてしまうかもしれません。

 

 あと補聴器とか人工内耳を震災で失ってしまうと、そのダメージも計り知れない

ものとなります・・・。

 

 ・・・どうか少しでも被害がこれ以上広がりませんように。

 少しでも早く落ち着きますように。

 

 

 

 

4月になりました。Rrの遺伝子について。

 早い!

 もう4月ですね。

 花粉症持ちのsnow、この時期は呼吸ができずにフガフガ言っているのですが、

今年はなんか楽です。

 3月の終わりに、ちょっとフガフガしてきたので、アレグラを飲んでみたのですが

眠い!猛烈に眠い(個人差があるかもしれませんが・・・)

 結局2日ほどしか飲まなかったのですが、その後とっても楽です。

 ありがたいことでございます。

 

 で、snowは難聴になった原因が知りたくて、病院に行ったのですが、なぜか人工

内耳の手術の予約をして帰ってきたのでした。

 主治医は、「ま、検査するまでもなく、snowさんの場合は典型的なペンドレッド

症候群の症状がでているので、おそらくはペンドレッドですわ。」とおっしゃってい

ました。自分でもそう思う。ググったら見事に自分のことか??!っていうくらい症状

がぴったり当てはまるんですもん。

 今日はそのペンドレッド症候群について、ちょっとだけ書きます。遺伝子見解から。

そんなこと書ける(文章力がある)かどうかわからへんからちょっとだけ。

 

 

 ペンドレッド症候群は劣性遺伝子とのこと。

 父あるいは母のどちらか、または双方がペンドレッド症候群の遺伝子を持ち合わせて

いなければ、その子には遺伝しないということですね。仮にペンドレッドではない遺伝

子(優性遺伝子)をR、ペンドレッド遺伝子をr(劣性遺伝子)とします。

 で、snowの父も母も難聴ではありません。けれどもその子であるsnowは難聴

でした。snowの遺伝子がrrとすると、父と母の遺伝子はともにRrである必要が

あります。

     

 

 画像はウィキペディアさんからお借りしました。昔、シワシワのえんどう豆とか

習ったなあ・・・・。

 優性遺伝子は、劣性遺伝子と比べて性質上優れた遺伝子であるという意味ではなく

て、優性遺伝子の方が、劣性遺伝子に優先して遺伝するということです。つまりペン

ドレッド遺伝子rを父母ともに持ち合わせていますが、それよりも優性であるRの遺

伝子を持っているために、父と母は難聴をはじめとするペンドレッド症候群は発症しな

かった、ということですね。

 その遺伝子がどう子へと受け継がれていくのか?というと4分の1の確率となります。

 上の画像の「rr」赤いのがsnowということになります。

 もし、ペンドレッド症候群が優性遺伝子であれば、RR(青)を除く3人が発症と

いうことになります。劣性だから表に出にくいということですね。

 

 ということは、rrの遺伝子を持っているsnowと、同じくrrの遺伝子タイプの

人との間の子は全員がペンドレッド症候群を発症するということになるわけやね。

 RRの遺伝子タイプであれば、Rrの子のみとなるので、全員がペンドレッド症候群

の遺伝子はもっていますが、発症することはありません。

 Rrの遺伝子タイプであれば 2分の1はRrタイプで発症せずペンドレッド遺伝子

保有、2分の1はrrで発症。

 

 ただし、ペンドレッド症候群の遺伝子検査は誰でも受けられるわけではありません。

 snowがこの検査を受けられるのは、学術的研究の材料としての提供という理由

によるものです。そのついでにペンドレッド症候群の遺伝子を保有していたかどうかを

提供した側にも教えてもらえるということです。

 なので、例えば結婚相手がRRの遺伝子かどうかを調べてほしいというようなのは

できません。そして生まれた子にその遺伝子が含まれているかどうかの検査もできない

とのこと。もちろん生まれた子が先天性難聴が疑われる状況であれば受けることはでき

る・・・・と思います。

 このへん、時間とともに状況も変わってくると思うので、あくまでもsnowが検査

をうけようとした2013年ごろのお話になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペンドレッド症候群の遺伝子検査

あっという間に2月も終わりですね。

早いわ。こないだお節料理食べたところなのに。

 

え~。

snowはそんなわけで病院に行くことになりました。

前庭水管拡大症はMRIによって診断がつきます。

コレはあっさりと診断がついたわ。

「ホラ、ここが前庭水管。ふつうの人より太いから、あなたは前庭水管拡大症ですね。

だからめまいも起きたし、それによって聴力も低下したんだわ。」と主治医。

MRIの画像見て、そうおっしゃるまで10秒もかかっていなかったんではないだろう

か。30数年間ずっと謎だった難聴の原因とずっと苦しめられためまいの原因が、たった

の10秒で診断つくなんて今まで思いもしなかった。

「で、ウチに来たのはペンドレッド症候群かどうかが知りたいということでしたよ

ね?」

・・・・あ、そうです。

「・・・・・。それを知ってどうしますか?」

・・・・・・・・・!!考えたこともなかった。この治療さえ受ければ治るということ

はない、特効薬があるわけでもない。何故知りたいのか?

多分・・・「自分とは何なのか」を知りたいのか?なんかもはや哲学の域?

「ペンドレッド症候群は遺伝子検査で判明します。つまり、あなたがペンドレッド症候

群の遺伝子を保有しているかどうかということも同時に分かります。その遺伝子を保有

しているということを知ってしまうことが、この検査のリスクです。」

「メリットとしては、あなたがもっと幼少期であれば、前庭水管拡大症の症状が起きな

いように日常生活に気を付けるとか、進行性難聴であることを受け入れたうえでの人生

設計を考えたりできることにあるかもしれませんが。」・・・はあ、でもsnow、結

構ええ年やしな。「snowさんの場合はもう末期ですからねえ。」・・・へ?人生手

遅れ?「・・・・・・・・ほとんど残存聴力ないですからねえ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

んは?

ん?

残存聴力ないですと?

 

いやいやいや、左耳だけですが補聴器付けていますが。

一応聴こえていますが。

一応役立っていますが。

 

「いえ、snowさんの聴力はほぼ残っていません。聴こえていないはずです。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「聴力検査も見ましたがほぼスケールアウトですね。」

・・・・え?でも一応110ⅾBだかのとこに全部印入っていますよね?この部分聴こ

えているのではないですか?

「・・・・・・・・・・・・。→(矢印)入っていますよね。この部分は機械の限界音

です。つまりこれ以上大きい音を聴力検査の機械が出すことができないという意味で

す。でもその限界音もsnowさんは聞き取れていないということですね。」

え、そら知らなんだわ。ずっと聴こえているから印が入っているんだと思っていたわ。

・・・・・。

え、でも普段補聴器を使って会話していますが・・・。

「読唇しながらでしょ?口形読んでいるんですよね。だから聴こえているような気がし

ているのかもしれないけど、実際は聞こえていません。気のせいです。」

・・・・・。

おいおいsnow、自分が聴こえているかどうかも分かってなかったんかい。

でもね~

でもね~

腑に落ちたんです。

あ、そうなんや。やっぱり聴こえていなかったんだと。

snow、耳鳴りもひどいので、なんかの音が聴こえているような気もするんです。

でもどっちだかわかんないんです。

耳鳴りなのか実際に聴こえた音なのか。

あ、なんか落としたって視覚で画像をとらえたとたんそれっぽい耳鳴りがするんです。

だから、ずっと自分はちゃんと聴こえているんだって思っていたんです。

否、そう思いたかったのかもしれません。

 

・・・・聴こえていると思っていたら実際は聴こえていなかった。

この事実って、すごい衝撃ですよ。

ちょっと聞こえているかもしれないって、それを支えに日常生活送ってたのに。

ちょっと呆然としているsnowに主治医が放った更なる衝撃の言葉。

 

「人工内耳、してみませんか?」

 

「あなたが人工内耳をしてどれだけ効果が出るかは誰にもわかりません。

環境音がわかるのみで終わるかもしれません。

ただ、これだけは確実に言えます。」

 

「今よりは聞こえるようになります。」

 

 

ペンドレッド症候群の診断は採血だけなのでいつでもできます。1年後でもOK

ゆっくり考えてください。

でも人工内耳は年齢的にも今が限界ですね。私としては手術を受けることを勧めます。

辞めたくなったらいつでも手術の予約は取り消せます。

前日であっても取り消すこともできます。

とりあえず予約だけ入れて、即手術ではないのでゆっくり考えてみてはどうですか?

 

・・・・というわけで、本来の目的だったペンドレッド症候群の診断はせずに

人工内耳手術の予約だけすることになったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペンなんとかと前庭水管拡大症

インフルエンザが流行っていますね。

周りにも罹る人が増えてきました・・。お大事にお大事に・・・。

 

え~。

前回の続き。

二人の医者からペンドレッド症候群じゃないのか?と言われつつ、カタカナ名が覚えら

れずあまり関心持っていませんでした。

多分違うと思っていたし・・・。

それは、ペンドレッド症候群が遺伝性だったから。(遺伝性ではない変異タイプもあ

るっぽい?)

snowは親戚の中でたった一人の難聴者だったんですね。

祖父母、父、母、兄弟、親戚の中に、snow以外に難聴者はいないので、遺伝性

ではないだろうってずっと思っていたんですね。

 

が、ある日

将来snowが人工内耳手術を受けることになる病院の言語聴覚士さんと、ちょっと

お話しする機会がありまして。

この頃、snowはちょっと悩み事がありまして。

・・・・・・・いつまで補聴器使えるんだろう・・・?と。

もうあまり補聴器をしても聴こえてなかったんですね。

そういう時に、なんかの難聴者の集まりみたいな会場のところに「人工内耳の相談」み

たいなかんじで、その言語聴覚士さんおられまして。

snowは、人工内耳をするなんて全く考えてもなかったのですが、なんとなく、

なんとなく話しかけたんです。

まさかこれがきっかけで運命が変わるなんて思いもせずに。

 

いつから難聴ですか? 生まれたときからです。

今はどれくらい? 100dBくらいかなあ・・あまり病院行ってなくて。

小さいときから100dBくらいだったの? 90dBくらいでした。

じゃあ、だんだん進行していくタイプ? そうです、めまい起こして・・だんだん。

めまい?どんな? ぐるぐる回るタイプ? そうですそうです。

頭打ったり冷えたりしたらめまい起きる? そうです~!!

で、めまいの後聴力下がるでしょ? そうです!

風邪ひいたときも聴力落ちない? あ、落ちます!なんか詰まったような感じで。

けど、風邪治ったら戻るでしょ? そうですそうです!                             

 

な、何このお方?snowと初対面なのにズバズバ当ててくる!

会ったことないけど、新宿の母みたいな!??

 

snowのめまいって、ほんっとに原因不明のままだったんです。

いちおうメニエール病っていう診断は付いていましたが、家庭の医学みたいな本に載っ

ている「メニエール病の症状」とはちょっと違っていたんです。急なめまいが起き、3

~4時間で治まる、とかあったんだけど、いやいや1週間くらい続きますから。めまいと

聴力の関係も今一つわからないままでしたし。

 

それなのに、この言語聴覚士さんあっさりとおっしゃいました。

「それ、前庭水管拡大症じゃないかなあ?多分そうだと思う。」って。

・・・ぜんていすいかんかくだいしょう?

「前の庭の水の管(snow、これを聞きながらなんとなくししおどしを連想しました

わ)・・・ええっと書きますね、はい、前庭水管拡大症。」

調べたかったらうちの病院においで。うちは腕のいい先生がいるので。人工内耳考えて

いない?全く考えていない?これっぽっちも考えていない?・・・・。うん、それでも

大丈夫なので・・・みたいにいろいろ教えてくれました。・・・・が、申し訳ないこと

なのですがsnowは別のことで頭がいっぱいでした。

 

前庭水管拡大症・・・どっかでチラッと見たことある!

ペンなんとか!

ペンドレッド症候群!!!??

 

で、オウチ帰って調べました。今は便利ですねえ。ペンドレッド症候群ってググったら

すぐ情報出ますもんね。

は~~~

snowコレかもしんない。

頭打ったり、冷やしたりするとめまいが起きやすい。めまい起こしながら聴力低下。

甲状腺疾患は思春期の10歳前後で発症することが多い。

前庭水管拡大症と甲状腺疾患を併せ持つ。

昔、メニエール病について書かれてある家庭の医学書見たときは、はあ?全然違う気が

する・・・ってしっくりこなかったのですが、この前庭水管拡大症はまるで私の事?っ

ていうくらいピッタリすぎて逆に怖かったくらい。

 

で、これをきっかけにその病院に行くことになるのでした。

結論から言うと、ペンドレッド症候群の診断はしない選択をしました。

まったくするつもりのなかった人工内耳の手術はすることになりました。

 

なんじゃそりゃ?って感じですね。

 

 

それはまた続く・・・。